[Interview] HiNDS

ついに!待望の初来日を果たしたスペイン・マドリード出身のガールズバンドHiNDS(ハインズ)に直接インタビュー!今世界で最も勢いのあるガールバンドに同世代の女子目線で気になることを沢山聞いてきました!

13062431_828526983918301_1311549491166213525_n(左からAde、Ana、Carlotta、Amber)

 

–  まず始めに、初めての東京の印象はどう?

Carlotta:昨日着いたばっかりなんだけど、すっごく気に入った!もう全部大好き!お寿司とか餃子とか、食べ物もすごく美味しいし!あと、渋谷駅最高。

Ana:夜になるとネオンライトもすごく綺麗だよね!

 

–  スペインと東京は違うの?

Carlotta:何もかも違うの!人の歩き方とかそういうのも全く違う。

 

 他に東京で絶対にやりたい事、訪れたい場所はある?

Ade:今夜カラオケに行く予定!

Carlotta:お寺も見に行きたいよね。あとあの有名な山…富士山も!富士山ってここからでも見える?

 

–  天気がいい日に高いビルに上れば東京からでも見えるよ

Carlotta:トライしてみるね!

 

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–  日本の女の子たちは音楽はもちろんのことHiNDSのゆるカワなファッションにも大注目しているんだけど、お手本にしているファッションアイコンやインスピレーションの源ってあったりする?

Carlotta:う〜ん…。特にそういうのは無いかも。むしろ、フェスティバルとかに行くといつも一番ダサいのは私たちだし笑 本当にそうなの!ロンドンに行っても、LAに行っても、どこに行ってもね。みんなすごくファッションに対して気を使っているし。私たちなんて1ヶ月のツアーで持っていくのはTシャツ5枚だけ。

Ana:コーヒーこぼしちゃったり、トマトだらけになっちゃうからTシャツが一番いいの笑

 

–  前回のインタビューで教えてもらったけど、今回のアルバム『Leave Me Alone』は恋愛に関する曲が多いよね。どれもキュートな歌詞で大好きなんだけど、私は特に“Fat Calmed Kiddos”や、“Castigadas En El Granero”とかダメ男に関する曲が特に好きなの。あと、“I’ll Be Your Man”や“Bamboo”みたいな、女の子が男の子を引っ張っていくような歌詞も好き。

Ana“I’ll Be Your Man”っていう曲は男女のリレーションシップ(関係性)について歌っているの。つらい時は助け合おうって。ステレオタイプでは男の子が女の子を引っ張っていくのが普通だってなってるかもしれないけど、現実では男の子だって時には弱くて当然。だから私たちが支えてあげる必要があると思うんだよね。付き合ってるなら普通のことだと思う。すっごく幸せな時もあれば、落ちる時もあるでしょ。そんな時に「私があなたの男になってやるわ!(I’ll be your man!) 」「私についてきなさいよ!」って。

Carlotta:あと、“Chili Town”っていう曲は私たちが「Winner(勝者)」なの!っていう曲をあえて作りたかったから書いたの。私たちが(男の子に対して)Winnerだって宣言する曲を作ることに意味を感じたから。

Ana:最後に振り返ってこう言うの。「あなたのこと大好き!でも私がWinnerよ!」って。

 

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–  今年の始めのThe Guardianの記事で「ボーイズがバンドマンでガールズは見るだけが普通だった」「最初は男の子の様な服を着て女の子だと言うことを気づかれないようにしたけど失敗だった」と話していましたが、男性が多いバンド業界でガールズオンリーで成功していることがあなたちにとってどんな意味がある?

Ana:この業界に入ってからガールズオンリーで頑張ることの重要性に気づいたの。ガールズに厳しい世界だから。音楽業界に男性の方が多いのは気づいてたけど、どれだけ大変かは知らなかった。いつもじゃないけど、たまに本当に辛いの。自分たちも経験したから他のガールズバンドの成功を今はもっと喜べる。彼女たちがどんな経験をして、どれだけ戦っているか今ならわかるから。でも、「音楽業界には女の子が少なすぎる!戦うわ!」って思ってこのバンドを始めたわけじゃないの。私たちは本当にお互いを理解しあってるからこのメンバーでバンドを始めたの。

 

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–  その辛い経験というのは、具体的にはどんなもの?

Carlotta:沢山あるけど…私たちの国、スペインって「セクシズム(性差別主義)」がすごく大きな問題なの。だからほとんどみんな辛い思いはスペインで起こった経験。スペインのフェスティバルで演奏した時とかね。知らない人たちが、私たち個人や、バンドや、その日の私たちの髪についてとか直接ひどいことを言ってくるの。彼らは私たちが女の子だから自分たちに殴りかかることはないと思ってるんだよね。男の子にはやんないくせに。だから私たちは戦わなきゃいけないの。実際2回くらい大きいケンカしたことあるよね笑

Ana:飲み物顔にひっかけたりね笑 パンク/ガレージ/DIYスタイルっていうのも理解されない。あえて小さなライブハウスでライブしたり、Lo-Fiな音でライブしたり。まあ先月までサウンドエンジニアもいなかったわけだけど…。全て自分たちで理想の状態に近づけるために選択した結果なのに女だから下手なんだと思われる。「音質がよくなかった」とかいってくるの。他の音楽のジャンルでは完璧性が評価されるかもしれない。でもパンクやロックンロールは男らしさが全てでしょ?ステージ上で男のバンドマンが裸になっても、ドラッグやっても「これがロックンロールだ!」ってなるけど、女の子がやると急に「何やってるんだ」って責められるの。女性アーティストは綺麗で謙虚で完璧じゃなきゃいけないみたいに思われてる。

 

–  今日もCarlottaがZissou(映画『The Life Aquatic』でBill Murrayが演じるキャラクター)のTシャツを着てるけど、前回のインタビューで好きな映画監督としてWes Andersonをあげてくれたよね!”Garden”のMVから彼の作品の影響を感じたんだけど、それについてはどう?

 

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Carlotta:そう!私たちみんなWes Andersonの作品が大好きなの。実際、“Garden”を撮ってくれた監督(Pedro Martin-Calero)は、Wes AndersonよりJean-Luc Godardみたいな作風にしたかったらしいんだけど、私たちの意見を取り入れてこうなったんだよね。私たちみんな映画が大好きだから、こうやってプロの監督と映像作りを一緒に出来て本当に楽しかった!

Ana:実は、“Garden”以前のMVは全部Carlottaが監督・編集してたんだけど、PedroがこのMVのアイディアを持ってきてくれたときに「次は何かスペシャルで、新しいことをやろう!」っていう話になってこのビデオが完成したの!

 

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–  あなたたちのSNSを見る限り、Swim DeepやJAWSなどイギリスのインディーバンドの交流関係が広いように見えますが仲良しのバンドを挙げるとしたら誰がいる?

Carlotta & Ana:すっごく沢山いるんだけど、スペインのバンドだと、The ParrotsとかMiqui Brightsideかな。彼らも私たちと同じマドリード出身のバンドなの。イギリスのバンドだと、Swim DeepWolf AlicePalma VioletsSlavesChildhoodOscarThe Vaccines…。アメリカのバンドだと、Twin PeaksShannon and The ClamsBlack LipsThe GardenPublic Access TVSunflower BeanMac DeMarcoFat White Family、あ、それはヨーロッパだけど…。とにかく沢山いるんだよね。

 

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Ana:自分たちがバンド始める前は「有名人は有名人と友達なんでしょ」とかぐらいに思ってたけど、実際ツアーとか始めるとミュージシャンとしてお互いの苦労がわかるの。今はミュージシャンを違う目で見ることができる。前だったら「やったー!大物バンドがコンサートする!」って感じだったけど、今は「あの規模でやるのは相当大変だろうな」とか、音楽業界の裏側についても考えるようになった。「これだけ制作にお金かけたんだから、相当売らなきゃだめだろうなぁ」とかね。

Ade:好きなアーティストが新しいアルバムを出すと、いつの間に作ったの!?みたいな。

Ana:そうそう!昨日まで一緒にツアーしてたじゃんってなるんだよね笑 レコーディングの大変さとか楽しさとか、アジアでツアーできる素晴らしさとか、そういうことを理解し合えるからいい時間が過ごせるのかも。彼らのハードワークをもっと尊敬できるようになった。

 

–  他のバンドとの友情関係があなたたちの音楽に影響を与えていると思う?

Carlotta:遊んでる時間からは影響は得てないかな。でも個人的にミュージシャンを知ることで彼らの作品への理解は変わったかも。ミュージシャンは、寂しくなって、鬱っぽくなって、音楽を精神の「EXIT(出口)」として使ってるってイメージだったけど… 私たちはそれはしないかな。私たちは音楽をEXITとして使っていないから。でも、ライブでは普通以上のエネルギーがいるの。例えばツアー中で、いつ帰ってくるかわからない街で最後のライブだと思うとものすごいエネルギーがでるし、それを知れたのはすごく良かった。

Ana:実用的な面では他のバンドから学ぶことが本当に沢山ある。

 

–  あなた達が音楽を「EXIT」として使っていないと言ったのはとても興味深いけど、それならあなたちにとって音楽とは?

Carlotta:逃げ道と言うよりは、シェアする場所かな。私たちの人生を音楽によってみんなとシェアしてる。人生に曲を作るインスピレーションが全部あるの。私たちは何からも逃げてないし、生活の中でどう感じたかを私たちはシェアしたいの。

 

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–  インディ業界では世界的に成功しているバンドは英語圏出身が多いけど、スペイン出身で注目されているHindsの秘訣はなんだと思う?インディ業界っていうくくりにされるのが嫌だったらごめんね。

Ana:私たちがインディっていうくくりにされることにはもう慣れたから大丈夫!笑

Carlotta:秘訣?秘訣なんてないよね。

Ade:英語で歌うこと。これは絶対。英語圏で成功したいなら英語で歌わなきゃいけない。

Ana:成功するための方法は沢山あるし、そのバンド次第だと思うよ。ツアーには行かないけど地元で沢山ライブをするとか、フェスティバルを沢山まわるとか、片っ端から行けるとこは全部行ってライブをするとか、メジャー・レーベルと契約するのかインディ・レーベルと契約するのか、アルバムを毎年リリースするのか3年毎にリリースするのかとか…。そのバンドがどういう風に成功したいかにもよるけど成功するための選択肢は沢山あるよね。

 

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–  スペインのインディ・シーンについて知りたいんだけど、スペインでもインディ・バンドは人気?

Carlotta:私たちからすると、インディはすっごく人気があるって感じているけど、実際はそうでもないのかもしれない。まぁ、人気が無かったら私たちもここにいないわけだけど…。スペインでインディ・ロックを流してくれるラジオ局は一つしか無いし、あとは全部チャートものなんだよね。でもマドリードにイケてるインディ・シーンは存在するよ!

 

–  音楽面だけでなく、カルチャー面でも今マドリードはすごく注目度が高い都市だよね。ここ数年、面白いインディペンデント・マガジンや、フォトグラファー、デザイナーが次々と出てきているように感じるんだけど、実際にマドリードにいてどう感じている?

Carlotta:マドリードだけじゃなくて、バルセロナも面白い!本当に沢山良いフォトグラファー達が出てきているし。

Ana:そうだね。バンドとだけじゃなくて、フォトグラファーやデザイナーの人ともつるんだりするから、私も同じように感じてる。そういう繋がりを持つと、ジャンルは違ってもお互いに助け合ったり協力し合う事が出来るからいいよね。例えば、「アルバムジャケットを撮ってあげるから、ショーのオープニングで演奏してよ!」とか頼まれたり。そういうのってすごくいいよね!

 

–  では最後に、今はSpotifyやApple Musicなど、音楽はストリーミングで聞くのが主流だけど、HiNDSにとって、今この時代に、レコードやカセットテープをリリースする意義って何だと思う?

Ana:だって「集められるもの」ってSUPER COOLじゃない?私たちも集めることとか、記録に残すこととかが好きだから。ライブに行ってそのバンドを気に入ってCDを買うとか、アルバムにサインをもらうとか、形だけじゃなくて思い出が残るでしょ?

Ade:あと、CDやVinyl、グッズを買うとバンドをサポートすることにも繋がるからね。そこがストリーミングとは違うの。

Carlotta :私たちみんなレコードプレイヤーを持ってるし、私はCDが大好きなの!私のバンはいまだにCDプレイヤーしか聞けないからMP3じゃなくてオリジナルのCDを持っていたいの笑

Ana:iTunesとかだったら1曲だけ買うこともできるけど、絶対にアルバム1枚を通して聞いた方がいいと思うんだよね。プレイリストとかを作って聞くのも好きなんだけど、プレイリストを作る時も、アルバムを聞き込んでから1曲1曲ピックアップするようにしてる。CDしか聞けないCarlottaのバンで旅してるからそうなったのかもだけど笑

Carlotta: 自分たちでバンドを始めてから分かったけど、アナログ・スタイルが本当の音楽の聞き方だと思うの。ミュージシャンはアルバムの曲の順番はちゃんと理由があって決めてる。尊重するべきだよね。

 

–  ありがとうございました。

HiNDS:アリガトー!

 

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今回の来日ではBig Love RecordsでのDJセット他、渋谷タワーレコードでのミニライブ、新代田FEVERでの単独公演、The Sign Magazine主催のライブイベントなど、ハードなスケジュールをこなした4人。初めて彼女達のプレイを生で見て、やっぱり彼女達の魅力は心から音楽を楽しんでプレイしていることなんだと実感。嫌なこととか、悩んでることとか、どうでもいいじゃん?って思わさせてくれるようなハッピーオーラに満ちあふれたライブ、最高でした!(さすがスペイン女子。アツかったです!)近いうちにまた日本へ戻ってきてほしいですね!

 

Interview :Yukika Tasaki / Noemi Minami

Photo : Tammy Volpe

 

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