[Interview] Wolf Alice~新時代を駆け抜けるリアル

2013年あたりから本国イギリスのメディアや早耳なリスナーの間で話題になり、今年の「BBC Sound Of」のロングリストにも選出、遂に発売されたデビュー・アルバム『My Love Is Cool』も全英チャート初登場2位の大ヒットといまノリにのっている新人バンド、ウルフ・アリス。この夏、イギリスではグラストンベリー、そして先週末のレディング&リーズを初め多数のフェスでライブ・バンドとしての実力も証明している彼らがこのグッド・タイミングでサマソニに来日!ということでHTEではサマソニでの2日間のライブを終えたバンドにインタビューしてきました。

アルバム『My Love Is Cool』のレビューはこちらから。

Wolf Alice 1

― サマーソニックでのライブはいかかでしたか?

ジョエル: 素晴らしかったよ。あんなにたくさんの人が朝早くから(ソニック・ステージのトップバッターで登場)来てくれたのには驚いたよ。UKではなかなかないからね(午前中から演奏することも観衆が集まることも)。たくさんの人に聴いてもらえていいレスポンスももらえた気がするからとてもよかったし、楽しめたよ。

― ライブの方は、音源で聴く以上にパワフルで骨太な演奏な印象でしたが、ライブをするときに何か意識していることはありますか?

セオ: レコーディングは「より良い曲にするためにその環境で出来ることを全てやり切ろう」という感じなのに対して、ライブでは全力を尽くして自分たちが持っているエネルギーを全て出し切るしかないという感じだよね。だから、細かいことがどうこうというよりは、全力でやり切るってことかな。

― サマーソニックではあなたたちが一般のお客さんに紛れてベビーメタルのライブを見ていたという目撃情報がありましたが。

一同: ああ、見てたよ。

セオ: イギリスでも話題になっていたから少し興味があってね。うん、不思議な感じだった(笑)。

― アルバムの話に移りますが、あなたたちは新人バンドとして、2013年のうちから既にEPなどが話題になっていたので、もうちょっと早くアルバムがリリースされるのではと思っていました。アルバムの発表まで時間がかかったのには何かワケがあるのでしょうか?

ジョエル: ああ、(EPなどが話題になりだしてからアルバム・リリースまでは)結構なギャップがあったね。自分たちでもびっくりするくらい。うーん、馬鹿げた理由だよ。本当は実際より3~4ヶ月くらいは早くレコーディングに入るつもりだったんだけど、事務的な理由で伸びちゃったんだよね。だから、ほとんどレーベルの責任なんだよ(笑)。キミたちに教えても面白いもんじゃないだろうね(笑)。

― では、完成したアルバムの出来には満足していますか?

ジョフ: 客観的にアルバムを聴けるようになるまでは結構時間がかかったんだけど、いま聴きなおしてみても気に入らない部分はあまりないし、自分たちでもいいアルバムが出来たんじゃないかなと思っているよ。

― アルバムは結果的にアルバム・チャート初登場2位という、新人バンドとしては大成功だと思いますが、そうしたリアクションについてはどのように受け止めていますか?

エリー: 凄く幸運なことだと思っているわ。「自分たちにはいいファンやロイヤリティの高いファンがたくさんついてるんだ」ってね。インディの小さいレーベルから出した作品にも関わらずナショナル・チャート2位に入れて、ファンの中にはアルバムを何枚も買ってくれた人もいるみたいだし、「自分たちのことを大事に思ってくれているファンがいるんだな」ということを再確認できたし、いまは凄く幸せな気持ちだわ。

― では、もう少し音楽的な話に移ります。ウルフ・アリスのサウンドはグランジのようなパワフルなサウンドから、シューゲイザーのようなノイジーなもの、フォークなどいろんな要素が混じっていると思うのですが、単純にそれは自分たちが聴いてきた音楽の影響によるものだと思いますか?

セオ: もちろんだよ。

エリー: そのはずだわ。

ジョエル: どんなバンドでもそうじゃないかな。自分たちが聴いてきたものがサウンドに反映されるのは。だから、その質問にはワン・ワード・アンサーで「イエス」としかいいようがないね!

― もうちょっと具体的にお聞きしたいのですが、私もあなたたちと同じくらいの年齢だと思います(メンバーはエリーとセオが21歳、ジョエルとジョフが22歳)。リアルタイムで夢中になって聴いてきたものってどんな音楽でしょうか?アークティック・モンキーズであったりキングス・オブ・レオンとか?

エリー: ええ、全く持って同じだと思うわ。

ジョエル: まさに同じ世代だね。

他にはホラーズホワイト・ストライプスであったり、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、それから、ストロークスとか…。僕らがティーンエイジャーだったころに現れたバンドがみんなエキサイティングだったからね。10代のときは、自分の親の世代の音楽ではなくて、自分たちで見つけたそういう音楽に夢中になっていて、それが当時自分たちに凄く影響を与えていたね。CDを買ってきて、それを友達に教えたりしていたよ。ティーンエイジャーのときに夢中になっていたそういう音楽が一番大事な要素かな。

― 実際に初めて買ったCDやレコードは何でした?皆さんそれぞれお教えてください。

ジョフ: サム41の「All Killer No Filler」だね。

ジョエル: 自分のお金で買ったのはリンキン・パークの「Hybrid Theory」だよ。

セオ: クレイグ・デイヴィッドだね。

エリー: 覚えてないわ。自分のお金で買ったのわ。でも、最初に「買って」ってお願いして買ってもらったアルバムはピンクのアルバムじゃないかな。「Missundaztood」。傑作だわ。

― エリーとジョフはもともと2人でアコースティックでやっていましたし、あなたたちが影響を受けた音楽にフォーク・ミュージックもあると思いますが、具体的にはどんなものを聴いていました?


ジョフ: 最近はジョン・フェイヒーをたくさん聴いてるね。60sのインストゥルメンタルの。あとはいままで好んで聴いてきたのは他にもたくさんだよ。ニック・ドレイク、デイヴィ・グレアム、バート


・ヤンシュとか。60年代、70年代のものはいまでもよく聴いてるね。メンバーみんなフォーク・ミュージックは好きだよ。

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― では、もっと最近の、ローラ・マーリングやモルディ・ピーチズなどのような00年代になって出てきたフォーク・ミュージックも聴いていました?

ジョエル: うん、もちろんさ。ローラ・マーリングモルディ・ピーチズもね。あとはジョニー・フリンジェフリー・ルイスとかね。その辺のミュージシャンたちは2007年ごろから出てきたんだけど、ニュー・フォークって呼ばれてたんだ。みんなああいうことやっていたね。マムフォード・アンド・サンズのマーカス・マムフォーフォドも元々はローラ・マーリングのバッキング・バンドをやっていたからね。それから、ヴァクシーンズのメンバーもアコースティックでフォークのようなものをやっていたしね。その頃はいいフォーク・ミュージシャンがたくさんいたよ。まあ、マムフォード・アンド・サンズが台無しにするまではね(笑)。

― では、エリーのボーカルについてお聞きします。あなたは、囁くように歌ったかと思えば、怒りをぶちまけるように叫び、パンキッシュに歌ったりと、曲によってボーカルスタイルを巧みに使い分けているように思えます。ボーカリストとして何か意識していることなどありますか?

エリー: まさしく、曲ごとに歌い方を使い分けるというのは私が最近心がけていることだわ。自分の声に少し自信が持てるようになったから、もう一歩その先に進もうと思ってそういうことをするようにしてるの。それが自分にとって面白いし、自分にとっての探究であり、進化だわ。

自分がボーカリストとして歌い方をわかってくると、「このボーカリストはこんな風にやってるんだ。じゃあ自分もやってみよう。」って他の人のボーカルを聴くようになって、音楽の聴き方、他の人のボーカルの聴き方や耳まで変わってきたから、それが自分のボーカリストとしての成長の一つかなと思ってるわ。

― では、もう一つ。最近フローレンス・アンド・ザ・マシーンのように女性がフロントにいるバンド、あるいはセイント・ヴィンセントのような個性的な女性ミュージシャンの活躍が目立っていますが、何か彼女たちから刺激を受けたりすることはありますか?


エリー: うーん、そんなに(あなたが挙げたアーティストは)たくさん聴いてるわけじゃあないから、彼女たちからってわけじゃないけど、そうね、たくさんのアーティストから影響を受けてるわ。

私はカート・コバーンの静と動の使い分け方には凄く影響を受けてるの。それから、PJ ハーヴェイは凄く好きだわ。特に彼女の声がね。

ジョフ: シーアだろ!?

エリー: そうね、最近好きになった人だとシーアね。あと、最近の人で一番興味深いボーカリストだと思うのは…、そう、ラナ・デル・レイよ。たくさんだわ。

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― では最後に、今後バンドとしてどのようになっていきたいかについてお聞きします。あなたたちのサウンドは例えばキングス・オブ・レオンのサード・アルバムのサウンドのように、アリーナのようなたくさんの観衆がいる会場でも通用するような大きなロックというイメージもありますが…。

セオ: うーん、将来のことだから何もわからないけど、次のアルバムはレゲエ・アルバムになると思うね!(「言ってやったぜ」という表情)

(10秒くらいエリーを中心に一同吹き出すような大爆笑が続き…)

ジョエル: ワオ、よくやったね。

ジョフ: お前はスタンダップ・コメディアンだ!(笑)

でも、僕らはレゲエが好きだからやるかもしれないよ。

今度アルバムより前に作られてた曲を集めたBサイド集みたいなのを出すんだけど、それを聴いても自分たちの今後の方向性はわからないだろうし、あまり明確なヴィジョンはないんだよ。

エリー: でもどのくらいの数の人に聴いてもらうかを狙って作ったりは出来ないし、何人の観衆に向けてプレイするかによって、どんなサウンドを自分たちが作るかは決めないつもりだわ。どれくらいの人たちが、私たちの出したものに反応してくれるかはもうそれに任せるしかないし。私たちはいつも、自分たちが楽しめると思った音楽をやるの。で、それを一つのアルバムにして。そこには戦略なんて何一つないわ。

― では、ありがとうございました。

Wolf Alice 3

Wolf Alice2

Interview : 山本大地

Photo: Yukika Tasaki

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