【HTE LIST】10 Best Songs of The Libertines

2000年代を代表するインディ・バンドをHard To Explainが選んだ10曲とともに紹介する『HTE LIST』、今回は、解散ののちの再結成を経て11年ぶりの新作アルバム『Anthems for Doomed Youth』がリリースされるザ・リバティーンズ(The Libertines)です。2000年代初頭の、ガレージ・ロック・リバイバルのUKからの旗手として颯爽と登場し一気にスターダムを駆け上がるも、中心メンバーのドラッグ中毒に端を発するバンド内のゴタゴタが絶えず、アルバムたった2枚で花火のようにパッと解散してしまった彼ら。本格的に活動再開となった今年は本国UKで夏フェスでのライブも精力的にこなし、これまでのところ“リバティーンズ再降臨”は熱狂的な歓迎を受けているようです。そんな彼らのBest 10 Songsを今一度おさらいしておきましょう。 Text: Minaë Tani

Death On The Stairs[from 『Up The Bracket』(2002)]
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HTEパーティが始まった頃よくかかっていた1曲。イントロのギターリフのつかみが最高。これは2003年の日本でのライブの映像ですね。日本でもデビューすぐから人気沸騰してた様子がわかります。

I Get Along[from 『Up The Bracket』(2002)]
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これもHTEパーティのフロア定番でした。サビの”get along get along get along”のところで大合唱が起きたものです。

Time For Heroes[from 『Up The Bracket』(2002)]
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1stアルバムからのシングル曲。クソみたいな日常を描写する文学的なリリックが秀逸。

Boys In The Band[from 『Up The Bracket』(2002)]
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ザ・クラッシュを彷彿とさせるサビに、ロンドンバンドの粋を見る1曲。ライブで見るとドラムのゲイリーだけ飛び抜けて上手いのが目立ちます。このちぐはぐさもひっくるめてのリバティーンズ。

Don’t Be Shy[from 『The Libertines』(2004)]
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ピートがもうドラッグずぶずぶだった時の歌なんでしょう。これをレコーディングのファイナル・テイクにするしかなかった当時のリバティーンズ。でも「ドンビーシャーッハッハ〜イ」の、へなへなボーカルが妙にクセになったりして。

Can’t Stand Me Now[from 『The Libertines』(2004)]
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ピートとカールの愛憎劇のドキュメントのようだった2ndアルバム。「嫌いだけど好き、好きだけどきらい」なピートとカールの交互のボーカルがリアルすぎて切ない。

What Became Of Likely Lads [from 『The Libertines』(2004)]
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同じく2ndアルバムから。「俺たちの夢はどこへ行っちゃったんだ。悪ガキたちの行く末はどうなっちゃんだ」と、うまくいかないやるせなさと、終わりの予感を2人で歌うさまに全ファンが涙した1曲。

Don’t Look Back into the Sun

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シングルのみのリリースで、アルバム収録されていないにもかかわらず(日本では2ndアルバムのボーナス・トラックに別テイクが収録)人気のある1曲です。

What Katie Did [from 『The Libertines』(2004)]
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ピートが結構長い事つきあっていた超大物モデル、ケイト・モスが出演しているPV(といってもシルエットのみで言われないとわかりませんが……)。ケイトはピートと付き合っている間に一緒にドラッグ吸引しているところを写真に撮られ、一時ファッション界から完全に消える羽目になりました……。

Gunga Din [from 『Anthems for Doomed Youth』(2015)]
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そして新しいアルバムからのシングル!Aメロはピートのソロのバンド、ベイビー・シャンブルズを彷彿とさせます。メンバー全員いい歳になっていますが、PVが「Time For Heroes」と同じノリなのが微笑ましいですね。

【プロフィール】

ピート・ドハーティ(ギター・ボーカル)

カール・バラー(ギター・ボーカル)

ジョン・ハッサール(ベース)

ゲイリー・パウエル(ドラム)

1997年、大学で演劇を学んでいたカール・バラーと、英文学を学んでいたピート・ドハーティがロンドンで出会い、曲作りを一緒に始めたのが結成のきっかけ。バンド名はフランスの小説家マルキ・ド・サドの作品『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』の1部として発表された『The Lusts of The Libertines』から名付けた。メンバーが固まるまで紆余曲折ありつつもバンドは2001年に名門ラフ・トレードとの契約にこぎつけ、翌年秋に元ザ・クラッシュのミック・ジョーンズプロデュースで発表したファースト・アルバム『Up The Bracket』はUKチャート35位入り、その年のNMEアワードのべスト新人バンドにも選ばれた。
順風満帆と思われたが、この直後からバンドの核のひとりであるピート・ドハーティのドラッグ摂取による素行の悪化がバンドに影を落とすようになる。リハやライブに現れない、なんてのは序の口、ステージで暴れて機材を壊す、メンバー(特にカール)と激しい口論になることもしばしば、挙句の果てにピート抜きのジャパン・ツアーで不在の間にピートがカールの部屋に盗みに入り、逮捕されるという事態にまで発展した。このカールとピートのゴタゴタは、音楽メディアのみならず全国版のタブロイド新聞でも、連日のように報道され、皮肉にもバンドの知名度を高めるのに一役買ったと言えよう。カールは、忍耐強くピートの更生を信じて待っていたが、何度も裏切られ、ボロボロになりながらも2004年8月にセカンド・アルバム『The Libertines』のリリースになんとかこぎつけるが、結局バンド内の関係修復はならず、同年の
12月をもって解散することとなった。
こんなお騒がせのジャンキー野郎なのに、憎みきれないところがあるのがピート・ドハーティという男の不思議なところ。明らかにラリッている時の妙にピュアな顔つきや、英国文学のエッセンスを感じるリリック・センス、ボーダーシャツやマリンジャケット、ハットやモッズ・コートを生かしたファッションは、今やイヴ・サン=ローランのクリエイティブ・ディレクターにまで登りつめたエディ・スリマンや、大御所スーパー・モデルのケイト・モスをも魅了した。そして、才能を無自覚に持てあます身勝手なピートを健気に待つカールという、ザ・ビートルズ~ザ・スミスなどの系譜に連なるUKロック・バンドのフロントマンの愛憎関係と、お世辞にもうまいとは言えないふたりのへなへなギターとボーカルがそろったときの初期パンクのような爆発的なケミストリーが、ザ・リバティーンズに一瞬の強な輝きを与えたのだ。
解散後はそれぞれ、自分のバンド活動を行っていたメンバーだったが、2010年頃よりそれと並行して、突発的にザ・リバティーンズとしてゲリラ・ライブを行ったり、再結成を匂わす発言が出るようになったりしていた。そして2015年、ピートはドラッグから足を洗うためのリハビリテーションの完了を宣言、レーベルと新作のリリースの契約もまとまり、ついに本格的再始動。さて、ザ・リバティーンズの未来は如何に……。

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