[Album Review] Passion Pit – Kindred 〜1000カラットの輝きを放つシンセサウンド

アメリカはマサチューセッツ州出身の4人組、パッション・ピットの待望の3rdアルバム『Kindred』が先日リリースされた。エレクトロポップ・ファンから愛されて止まない彼らの放出する艶やかでキャッチーなシンセサウンドは、文句なしに素晴らしい。本作は、80sポップの要素を残しつつも、より“ポップな”ダンス・アンセムに聴き応えを感じる作品だ。

アメリカで、さまざまなエレクトロポップ・バンドのライブに足を運ぶ、黒縁メガネのクールなダンスマニア達を見かけることがある。このアルバムを聴いていると、そんな彼らが本作を夢中になって聴いている姿が想像出来る。なにも深く語る必要はないのだろう。なぜなら単純に「音楽とはこんなにも良いものか」と思わせてくれるし、聴いているだけで嬉しくなるアルバムなのだから。
また、捨て曲ゼロなのも魅力である。前作に続き、インディ・ダンス好きにはたまらない仕上がりと言えるだろう。
80sシンセ・ベースと高揚感漂う曲調がたまらないファースト・トラック「Lifted Up (1985)」は、心地よい5月のそよ風に心躍るような気分に浸らせてくれる。「Whole Life Story」は、宝石箱を開けた瞬間飛び出す眩い光のように、何カラットもの輝きを持つポップソングだ。一瞬子供向けおもちゃのピアノ・タッチかと思いきや、深みのあるシンセサウンドがディスコ・テイストで、どことなく同じアメリカ出身のエレクトロ・デュオ、ホーリー・ゴーストを思わせる。「Where the Sky Hangs」は、落ち着きのある極上にエレガントなトーンが痛切で美味。「Until We Can’t (Let’s Go)」は、レトロ・モダンなシンセが物凄くキャッチー。言うまでもなくフォスター・ザ・ピープルのファン受けしそうなポップ・ナンバーである。「Looks Like Rain」でこそ普段のパッション・ピットとは一味違うが、大人な要素漂うダウンテンポっぽさがオシャレだし、心地良いメロディ・ラインは、上質な睡眠薬のよう。
3年間も彼らの新譜を待った甲斐があった、本作を買って本当に良かったと日本のリスナー達が思ってくれたら本人たちも嬉しいに違いない。『Kindred』、この春のエレクトロポップ・アルバム決定版と名付けたい。(Reina Shimada)

YouTube Preview Image

 

キンドレッド キンドレッド
パッション・ピット

SMJ
売り上げランキング : 8545

Amazonで詳しく見る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です