[Album Review] The Cribs – For All My Sisters 〜インディ3兄弟が放つポップ・サウンド

日本のUKロック・ファンの間でもアイコン的存在な、イングランド出身の3兄弟、ザ・クリブス(The Cribs)の約3年振りとなる通算6枚目のレコード『For All My Sisters』がこの春リリースされる。

大ヒット曲「Men’s Needs」や「Hey Scenesters」で、世界中のインディ・ロック・ファンを魅了して来た彼らは、激しく動き回るパワフルで、70’sパンクを再現させたかのようなライブ・パフォーマンスでも人気を集めている。その演奏の質の高さは、NME、Qを始めとする英国プレスの間でも話題となった。
しかし、“パンク・ロックもインディの時代も、もう終わってしまった”(NMEインタビューより引用)とさりげなくつぶやくクリブスが今回目指したのは、80年代のポップからインスパイアを受けたフッキーで“ポップな”アルバム。
「Finally Free」は、若干グランジで、ラジオ・フレンドリーな聞きやすさがグッド。「Burning For No One」は、メランコリックでスムーズに流れるギター・リフが非常に美しい。
歌い方のせいか、曲の中盤のストーンズ・テイストなメロディ・ラインにハマる「Different Angle」、力強いドラム・ビートと、ポップ・パンク風味なギター・サウンドが魅力的な「City Storms」にも注目を。仄かにサイケデリアで聴き応えたっぷりなギター・リフがマイ・ブラッディ・ヴァレンタインを想像させる「Pink Snow」は、アルバム内では一番芸術センスに優れているように感じる。
本作は、過去の作品と聞き比べると、やや大人しく、サウンドのボリュームに欠けると感じるリスナーも少なくはないかもしれないが、2000年代のブリティッシュ・ロック・シーンを盛り上げて来たザ・クリブスのように、インディ・センスの光るロック・バンドが今でも元気で活躍する姿を見るのは、実に微笑ましい。EDMがキング的存在になっている現代の音楽シーンにおいて、インディ・ロック・バンドが残って行くのは、想像以上に困難な事なのかもしれない。彼らが数年後にまた、王道なパンク・ロックレコードでカム・バック!なんて事になったら面白い。(Reina Shimada)

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ザ・クリブス

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