[Album Review] Goat – Commune ~北極圏の小さな村発、無国籍サイケ・ロック!

ふた昔くらい前まで、アーティストの出身国とその音楽性のイメージって何となく連動していて、ロックの中でも“UKロック”だとか“USオルタナ”とかいう区分けが意味を持っていたのだけれども、インターネット時代に突入して久しい今、いよいよそういう区分けは役立たずになったようだ。2012年10月にアルバム『World Music』でデビューしたこのゴート( Goat )というバンドはその良い例だろう。

人口500人強しかいないというスウェーデン北部の人里離れた小さな村コルピロンボロ出身とのことだが、これまでそういう出自のバンドにありがちだった“他の文化から隔離されてきた”感は皆無。音楽性はアルバム・タイトルの通り、アフリカ、中東、東南アジアなど世界中の民族音楽の要素を取り入れたスケールのデカいごった煮のサイケデリック・ロック。歌詞は英語が多いが、アートワークやライブでは様々な民族衣装に身を包み、どこかの原住民族のものらしきマスクをかぶっていて顔も見えないため、一聴しただければ国籍も素性もよくわからない謎の集団という趣なのだ。

この相当なアクの強さにもかかわらず、これもインターネット時代の恩恵なのか、デビュー・アルバムはイロモノ扱いされるにとどまらず多くの音楽メディアで高評価を獲得、地元北欧だけでなく、コーチェラやボナルー、グラストンベリーやオール・トゥモローズ・パーティーズなど英米のビッグフェスにもブッキングされるように。2014年3月には、力強いライブ・パフォーマンズの評判も後押ししたのか、名門サブポップが契約をオファーし、今般セカンド・アルバム『Commune』のリリースとなった。

セカンド・アルバムでは、音はややクリアになったものの、基本的にファースト・アルバムの路線をそのまま踏襲。ただ、前作よりも更にカルト臭が強くなり、より呪術的な妖しさ全開のサウンドとなった。アフリカン・ドラムを取り入れたトライバルなビートに絡むサイケデリックなギターの長尺ソロや、ボーカルのチャントの掛け合いなど聴いていると催眠術にでもかかりそう。ライブ向けの曲も多いので、これはぜひ生で体感してみたいところ。そういえば、無国籍のジャム・バンドって何故だか極東島国の日本人も得意だよなぁ。朝霧ジャムあたりに、RovoとかNabowaとかDachamboと一緒にブッキングされたら面白いのではないかしら。P-VINEさん、来日期待しています。(Minae Tani)

Commune Commune
Goat

Sub Pop
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