HTE LISTMANIA ~失恋した時に聞きたい曲~

夏は情熱的な恋の季節。
恋人たちが浮かれている一方で、一夏の恋が終わった人、長かった恋に区切りを付けた人もいることでしょう。
そんな失恋の傷は、素敵な音楽と時間が少しずつ癒してくれるはず。
今回のテーマはずばり「失恋した時に聞きたい曲」。
自分自身を顧みたり、思い出に浸ってみたり、新しい出会いに向けて一度立ち止まって失恋気分にどっぷり浸かってみるのもいいのではないでしょうか。

Text:Chihiro Kurihara

Limit to Your Love – Feist

リマインダー
I love I love I love
The trouble that you give me
「愛してる、愛してる、愛してるの
あなたが私にくれた困難」

カナダの歌姫、ファイストの3作目『The Reminder』に収録されているこの曲は、ジェイムス・ブレイクがカバーしたことでも話題に。この歌詞を読んでいると“恋人同士の愛情のバランスが釣り合うのは難しいもだなぁ”とつくづく思います。ある瞬間に垣間みられるそっけない態度や冷たい言葉は、無意識で私を傷つけているのか?それとも私を試しているのか?……愛情への温度差がある気持ちを「あなたの愛には限界があるの」と綴る。そんな答えの見えない疑問に苛まれながらも、私の愛に限界はないと無償の愛を誓う強さが素敵です。
他にも、大切な人が去ってから自分の身勝手さや未熟さを後悔する気持ちを少し自虐的に綴った「So Sorry」の歌詞も個人的に好きです。「わたしたちはさようならを言う必要もないし喧嘩をするも必要ない、今夜きつく抱きしめ合うことができたのに」と、最後の別れは大人らしく気丈に振る舞っています。“あぁ、あのとき私にもっと優しさがあったら……”なんて後悔、誰もが感じたことのある気持ちだと思うので、心に刺さる人もたくさんいるのではないでしょうか。

Summertime Sadness – Lana Del Rey

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Kiss me hard before you go
Summertime sadness
「いなくなるその前に熱いキスをして
夏が来ると悲しくなるから」

ミュージック・シーンの幸薄女といえば彼女の右に出る者はいないでしょう。つい先日婚約破棄を発表したかと思えば、早速新しいボーイフレンドができたりと恋愛は迷走中のラナ・デル姉さん。美人なのにどこか悲しそうでミステリアスな雰囲気を醸し出し、演歌レベルの恨み辛みを綴る姿はもう悲痛でたまりません……。が、失恋したらここまで落ち込んだほうが気持ちよいものです。明るくなんて振る舞えないよ!だって、まじで辛いもん、心は姉さんの歌詞のようにボロボロですよ!特にこの「Summertime Sadness」は別れた誰かを一途に思い続ける気持ちが切なすぎて泣けてきます。嫌いになって別れたわけではない人っていつまでも心に残るんだよなぁ、これからも夏がくる度に出会ったときと別れたときの事を思い出してこんな気持ちになるんだろうなぁ。PVのごとくいっその事、赤いドレスを着て散ってしまいたい……。なーんて。最後にキスをねだり「あなたは誰よりも最高だってこと、知ってて欲しいの」と続ける。恋が終わるときって、この人より素敵な人なんて現れないと思ってしまうもので、そんな風にひとりの男性をこの上なく美化している間は本当に最悪。でも、次の人が現れればそんなのケロっと忘れるのが女性ですが、その一番辛い瞬間を捉えていて心に染みます。ちなみに個人的に夏は嫌いです。海とか晴れた空とか嫌いだし、早く秋になれ!

Littlest Things – Lily Allen

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Dreams, Dreams
Of when we had just started things
「夢を見るの、夢を
私たちが付き合い始めた頃の」

不思議と時が経つにつれて悪い思い出は忘れて、いい思い出だけが輝き続ける。困ったことに都合良く作られているものなんですね、人間の脳は。初めて目が合ったとき、初めてデートしたとき、初めてキスをしたとき……。一緒にソファでDVDを見たり、あなたのTシャツを着ながらいちゃいちゃしたり抱き合ったり。そんな他愛もない出来事が実はとても貴重で素敵だった事に思えて頭の中を支配する。懐かしくも余計に悲しみが増すので、今はお願いだから楽しかった記憶はどこかに置いてきたい。自分の生活の一部だった相手が突然隣から居なくなってしまったことが未だに信じられない様子で「ねぇ、教えて。私たちこれで本当に終わりなの?」と自問自答してしまう。私だけがあなたとの思い出を振り払えないなんて不公平だし、あなたも私と同じ気持ちだったらいいのにって、絶対にあり得ないような事を思ってしまうものですよね。どうにも言いようのない切ない気持ちがふつふつとわき上がってきます。失恋したばかりの人が聞くには辛すぎるかも……。いつもは毒舌で元カレを蹴散らしてきたリリーちゃんとはまた違う一面が見られます。

Sweet Nothing – Calvin Harris ft. Florence Welch

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And It’s hard to love
And it’s hard to learn
You’re giving me such sweet nothing
「愛する事は難しい、学ぶ事も難しい
あなたはそんな愛のささやきをくれた」

Sweet Nothingとは、“恋人同士の甘いささやき”とのことですが、何をもってスウィート・ナッシングとするかは人それぞれではないでしょうか。付き合っているときにあなたが言ってくれた「好き」や「愛してる」の言葉を飲み込んで、そのロマンチックな愛のささやきを聞くたびに私の愛は増していったけど、別れた今となっては空虚な言葉に思える。愛を求める気持ちが強ければ強いほど、どんな言葉をささやかれても満足できないものです。よく「言葉じゃなくて、態度で示せ」なんて言いますが、フローレンスもまさにそんな気持ちだったのでしょうか。何をもって満足するか、何をもって愛情を計るかっていうのも難しいもので、つくづく考えさせられますね。結局何を与えられれば愛を確信できたのか、答えの見えない虚しさはいつまで経っても心に残るものです。……そんな気分が浮かない時は、彼女の出世曲「Dog Days Are Over」を聞いて元気を出して!これまでの最悪だった日々に別れを告げましょう。

Never Gonna Love Again – Lykke Li

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Oh I, I’m alone tonight babe
And I’m never gonna love again
「あぁ、今夜私はひとりなの、愛しい人、
そして二度と愛したりしない」

スウェーデンの歌姫、リッキー・リー。情熱的というよりかは内省的で、表現も直接的というよりかは感覚的。気持ちを何かに例えてみたりと、繊細な言葉選びが彼女の歌詞の魅力ではないでしょうか。ここで何度も出てくる言葉“I’m never gonna love again”。「決して二度と愛さない」と誓うほど、誰かを愛する事ができる女性って素敵ですよね。……というか女性に対してそんな風に思わせる男なんて許さない!と、個人的な意見は置いておいて、結果的にどんなに傷ついても辛い思いをしても愛しきったからこその言葉だと受け取れます。“もう、誰も愛さない”と心に誓っても、愚かなものでまた恋をして同じ事を繰り返す。本曲が収録されているアルバム『I Never Learn』が物語るように、経験を積めば学ぶものは多いですが、恋愛に関してはいつまで経っても学ばないものなんだなと思いました。
他にも、どんなことがあってもあなたについていくと歌う「I Follow Rivers」や、悲しみを祝福や真珠に例える「Sadness Is A Blessing」など、彼女の楽曲は珠玉のラブソング揃いです。

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