[Interview] The Big Pink

09年に彗星の如く現れ話題を集めた確信犯2人組、ザ・ビッグ・ピンク。
およそ2年半ぶりに上梓した待望の2ndアルバムは、よりスケール感の増したアンセミックな展開と、前作とは違ったポジティヴなヴァイブに包まれた楽曲が詰まった正真正銘の傑作となった。
今回はそんな新作をリリースする直前、昨年12月末に行ったインタビューをお届け致します!

Interview:Takazumi Hosaka
Photo:Makiko Takano

―2年ぶりとなる2ndアルバム『Future This』の完成おめでとうございます。まずはこの作品が出来上がった今の感想を教えてもらえますか?

マイロ:まず、作り上げた直後はやっぱり安堵感が大きかったよ。“自分たちが成し遂げたいと思っていたたことがしっかりとできた”ってね。前作よりも確実に進化した作品だって胸を張って言えるし、詩も曲も全てがネクスト・レベルに達することができたと思っているよ。

ロビー:うん、全くもってその通りだね。

―何でも聞くところによると、今作の楽曲はかなり早い段階で書き終わっていたらしいですね。

マイロ:うん、曲を書き始めたのは2010年の……夏くらいかな? そこからもっと具体的なアイディアを考え始めたのが9月とか10月くらい。で、今年の2月くらいからスタジオに入って……って感じだよ。

ロビー:もともと昨年の段階で既にプロデューサー(ポール・エプワース)と一緒に制作することは決まっていたから、今回はあまり自分たちだけで煮詰めることはせず、スタジオに入ってから彼と一緒に作り込んでいったんだ。

―今作のプロデューサーであるポール・エプワースや、ミキシングを担当したアラン・モウルダーは前作でも共に作業をしていますよね。新たな人選をするつもりはなかったのですか?

ロビー:いや、実は色々な人を検討したり、実際に何人も直接会って話をしてみたりしたんだ。特にアメリカへ行った際は多くのプロデューサーを紹介してもらったし。でも、何だか色々な人に会えば会うほど、また以前と同じチームで作りたいっていう気持ちが大きくなっていったんだよ。一から新たに関係を築きあげるよりも、既にある程度お互いの関係が築いてある方が楽だしね。それに、ポールとアランのタッグっていうのが素晴らしいんだよ。彼らは常に僕らを正しい方向へと導いてくれる気がするんだ。だから、今回もこの組み合わせで制作したんだ。

―昨年くらいに海外メディアのインタビューで、「2ndアルバムはマッシヴ・アタックやトリッキー、ポーティスヘッドらと同じような意味合いで、独自のヒップホップになると思う」と答えていたと思うのですが、今でもその意見は変わりませんか?

マイロ:いや、その発言はなかったことにしたい。笑

ロビー:うん、そんなこと言ってない……ってことで。笑

マイロ:インタビューってその場ですぐ答えなくちゃいけないから、いつも自分の伝えたいことを上手に伝えられないんだよね。別に彼らみたいなサウンドや、言葉通りのヒップホップを作りたいっていう意味ではなくて……。つまりは、自分たちのやりたいようにやるって言いたかっただけかな。笑

―なるほど。笑
では、今作制作時に良く聴いていた作品などはありますか?

ロビー:カニエ・ウェストの『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』は良く聴いていたよ。ソングライティングも素晴らしいし、あれだけ様々なアイディアを盛り込んでいるのに全く無駄がない。本当に凄いアルバムだと思うよ。

―昨年あなたたちは!K7の人気ミックステープ・シリーズ『Tapes』の最新作を手掛けましたよね。そこではBalam AcabやoOoOO、No Bra、Salemなどのいわゆるウィッチハウス系のアクトの曲が多く使われていたので、そういったモノに傾倒しているのかなと思ったのですが。

マイロ:確かに昨年くらいはそういった音楽を良く聴いていたよ。でも、実はあのミックステープにはもっと様々なタイプの曲が入る予定だったんだ。だけど、どうしても楽曲使用料とか予算の関係でそれが叶わず……。笑
で、だったら逆にある1つのジャンルに特化したミックステープを作ってやろうと思って、MySpaceとかネットを中心に様々な曲やアーティストを掘って、ウィッチハウスに的を絞ったミックステープを作ったんだよ。あと、僕が運営してるMerok RecordsからリリースしたこともあるSalemやアクティヴ・チャイルドの曲を入れたりね。でも、今となって個人的に感じるのは、ウィッチハウスは想像以上に早く過去のモノになりつつあるなってこと。昨年頃は確かに凄いハマっていたんだけどね。

―では最近はどんな音楽にハマっているのでしょうか?

ロビー:僕は最近USのメインストリーム寄りのR&Bやヒップホップを良く聴いてるんだ。リアーナ、ビヨンセ、ジェイZはもちろん、ワカ・フロッカ・フレイムとかジェシー・ウェアー……、あとコールドプレイの新しいアルバムも好きだよ。いつもマイロがお薦めの曲を詰めたミックステープを作って僕のiPodに入れてくれるんだ。何か子供みたいだよね。笑

マイロ:恋人に渡すようなロマンチックなミックステープを作ってあげるんだよ。笑

―是非そのミックステープをファンにも配ってください。笑

マイロ:OK。いつでも作ってあげるよ!笑

―ハハハ、楽しみに待ってます。笑
ところで、あなたたちは1stアルバムで既に大きな話題を集め、華々しいデビューを飾ったわけですが、そういった事実がプレッシャーとなったりはしなかったのでしょうか?

ロビー:そういったプレッシャーというものは特に感じなかったな。むしろデビュー作リリース後のツアー中にも次の曲を書くのが楽しみでしょうがなかったんだ。色々試してみたいアイディアもあったしね。

マイロ:うん。大袈裟なことを言ってしまえば、前作を自分たちの頭の中から消して、これが本当のデビュー・アルバムだっていうくらいの気持ちで作ってたと思う。

ロビー:もちろん、レコーディングの期限とかそういった面に関してはプレッシャーを感じてたけどね。笑

―なるほど。ちなみに今作は前作と比べてより明るく、祝祭感溢れる雰囲気が漂っていますが、何か制作時の心境の変化などは会ったのでしょうか?

ロビー:うん、その感想は間違ってないと思う。というのも、前作をリリースした後のツアーで、ダークでヘヴィな楽曲を毎日のように演奏したことによって、逆に自分たち自身の性格は元々凄いポジティヴで明るいってことにより一層気づくことができたんだ。だから、今作はそういった“自分たちらしさ”をより素直に反映させることができたと思っている。

マイロ:うん、なんていうか、DJをやっているようなアルバムにしたかったんだ。DJって自分の好きな曲をかけて、お客さんはもちろんだけど、自分自身もどんどん高揚していくようなプレイをするだろ? それと同じような感覚を、ライブで自分たちが味わえるような作品を作りたかったんだよ。だから今作の曲をライブで演奏している時は、たぶんお客さんよりも僕らの方が楽しんでると思うよ。笑

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