[Interview] Little Barrie

震災からわずか1ヶ月後。まだまだここ日本では混乱が続くさなかにも関わらず来日公演を予定通り敢行してくれたリトル・バーリー。
今回はそんな彼らの東京公演直前に行ったインタビューをお届けします。
1stと同じく再びエドウィン・コリンズと手を組み制作された3rdアルバム『King Of The Waves』のことや、新加入のドラマー、ヴァージル・ハウのことなど、様々なことを訊いてきましたので、どうぞご覧下さい!

Interview:Takazumi Hosaka

―日本に着いたのは一昨日ですよね?

バーリー:うん、それで昨日、大阪でライブだった。

―大阪でのライブはどうでした?

バーリー:すごい良かったよ。クールなオーディエンスの前でクールな演奏ができたと思う。

ヴァージル:ああ、最高だったね。

―一昨日はオフだったんですか?

バーリー:そう。だからみんなで心斎橋の辺りとかを散策したよ。洋服屋さんとか雑貨屋、レコード屋とかを巡って買い物してた。笑

ルイス:僕はヴィンテージ・Tシャツの雑誌を買ったよ。

ヴァージル:俺はレコード屋で7インチのシングルを数枚買った。

―なんだかちょっと皆さん眠そうですが、時差ボケですか? それとも昨日のライブの打ち上げのせい?

バーリー:確かにまだ日本に着いて日が浅いから、時差ボケも少しあるかな……、でも、昨日一杯お酒を飲んだっていうのも本当。笑

-最新作のプロモーションで使われている(←)このアー写を撮影した時、当日朝の4時くらいまで飲んで、そのままほとんど寝ずに撮影したっていう話を聞いたのですが、それは本当ですか?

バーリー:あぁ、よく知ってるね……。笑
……うん、本当だよ。この日はロンドン郊外の街でエドウィン(・コリンズ)と一緒にプレイして、次の日、午前5時くらいの電車に乗ってロンドンへ帰ってきて撮影……っていう流れだったんだけど、ついつい朝4時くらいまで飲んじゃって……。ほとんど一睡もしないまま電車に乗ってロンドンへ帰ったら、ちょうど通勤ラッシュの時間に当たっちゃって、睡眠不足でしかも二日酔いの上に電車で揉みくちゃにされて、ボロ雑巾のような状態で撮影したのがこの写真なんだよ……。笑

―まさか昨日、というか今日もそれくらいまで飲んでたんじゃないですよね?

バーリー:ハハハ、まさか。笑

ヴァージル:昨日はちゃんと良識的な時間に切り上げたよ。ライブがあるからね。笑

―ちなみに、メンバーで一番飲むのは誰ですか?

バーリー&ルイス:(無言でヴァージルを指さす)

―何かヴァージルのお酒の上での失敗談などはありますか?

ヴァージル:そういう時は基本的にいつも記憶が飛んでるから、覚えてないよ。笑

バーリー:でも、彼は物凄い量を飲む割には、そんなに変なことはしないよ。笑

ルイス:いつもビックリするくらい飲むよね。笑

バーリー:昨日も服を脱いだりとか、めちゃくちゃなことはしなかったよね。……ただ、今日どうなるかはわからないけど。笑

ヴァージル:人生は何が起こるか分からないからな。笑

バーリー:今夜の東京でのライブが終わったら、明日は一回大阪にまた戻るんだ。それでその翌日に大阪の空港から飛行機に乗るから、明日一日はまたオフなんだよね。だから、その日はちょっと羽目外しちゃうかも。笑

―あまり飲みすぎないでくださいね。笑
では、話は少々変わりますが、ご存知の通り、現在日本は地震などの被害によって未だに様々な混乱が生じている状況ですが、そんな中、日本に来るのを止められたりはしませんでしたか?

ルイス:あぁ、僕は恋人に止められたよ。

バーリー:僕は……正直言うと、結構不安な気持ちはあったよ。
でも、もちろん震災のことを忘れてしまうのは絶対に良くないけれど、逆にそのことばかり考えてネガティブな気持ちになるのも良くないと思って。だから、僕らのライブで今大変な状況下にある日本の人達が一瞬でもそういう気持ちから解放されて、楽しい気分になるひとつの機会になれれば、って思ったんだよね。ちょっと大袈裟かもだけど。笑
実際、昨日のライブにあんなにたくさんのお客さんが来てくれるとは想像してなかったから、それは本当に凄い嬉しかった。

ヴァージル:うん。あと、タイミングが良かったんだと思う。やっぱり、どんなに奇麗事を言おうが震災の直後だったら中止か延期にならざるをえなかったけど、ちょうど震災から1ヵ月くらい経った後で、そろそろみんなそれぞれ別のアクションに移る時期に来れたから、良いタイミングだったと思うんだ。
それに、こういう状況下なのに、僕らのライブで目一杯楽しもうという姿勢をもったオーディエンスの姿を見て、逆に僕らの方がエネルギーを貰ったような気もするしね。

―なるほど。では、アルバムの話に入らせてもらいますが、今作は前作リリースから4年ほど空いてのリリースとなりますが、曲を書き始めたのはいつ頃からなのでしょうか?

バーリー:……07年~08年頃かな? 前作のツアーが終わると同時くらいから作曲自体はスタートしていたね。「I Can’t Wait」とかは一番最初に書いた曲だよ。逆に最後の方にできたのが……10曲目の「New Diamond Love」と「Money In Paper」とかかな。

―でも、レコーディングがスタートするのは前回のツアー終了時からかなり時間が空いていますよね?
その期間はひたすら作曲作業と、ライブなどで新曲をテストしていたんですか?

バーリー:うん、その通りだね。エドウィンのスタジオはずっと先の方までスケジュールが埋まっているから、僕らが使えるようになるまでかなり時間がかかったんだ。だから、大規模なツアーとかはしていないけれど、ちょいちょい小さめの会場とかでライブして、新曲を試していた。“こうすればもっとお客さんは盛り上がるかな”とかいろいろ試行錯誤しながらね。

―では、1stの時と同じくエドウィン・コリンズのスタジオで実際にレコーディングが完了したのは?

バーリー:09年の終わりか、いや、去年の始め頃かも。で、それからミックス作業に入ったんだけど、それまでが長い道のりだったよ。5日スタジオ入りして、4ヵ月待って……みたいな。本当に彼のスタジオはスケジュールがぎっしり詰まってるんだよ。笑

―レコーディング時によく聴いていた作品などはありますか?

バーリー:13thフロアー・エレヴェイターズとか……スペースメン3とか、ちょっとサイケなガレージ・ロックをよく聴いていた。あ、あと、レコーディング開始時はよくクランプス聴いてたかも。

ヴァージル:でも、それってかなり最初の方だよね。レコーディング期間が長すぎて、どの期間に聴いていたものを挙げれば良いかちょっとわからないよ。スタジオの問題で本当に長い間レコーディングしていたから。

―なるほど。でも、バーリーの言った“サイケ”かつ“ガレージ”な質感は今作での目標の一つですか?

バーリー:うーん……そういうわけではないかな。今作では、何ていうか爆発するようなギター・サウンドが欲しかったんだ。というのも、最近のバンド・サウンドって、機材が良すぎてちょっとクリアになり過ぎている気がして。僕らはもっとエキサイティングするような音が録りたかったんだ。ちょっと“危険な音”っていうのかな、そういう感じ。

ヴァージル:最近のバンドってみんな同じような機材で同じような録り方するから似通ったものになっちゃうと思うんだよね。でも、エドウィンは本当にいくつもの録音方法を知っていて、僕らの録りたい音に合わせて何通りもの方法を掲示してくれたから、本当に助かったよ。おかげで満足のいく音が録れたと思う。

―ちなみに、ヴァージルが加入した時期っていつ頃なんですか?

ヴァージル:08年の前回のツアー終了後かな。元から俺はシングルまで買うくらいリトル・バーリーのファンだったんだけど、たまたま誰かのギグで2人に会って、そこで話してたら自然と「今度一緒にプレイしようよ」って話になったんだ。で、それからちょいちょいライブのサポートとかするようになって……って感じかな。誰かの紹介とか、計画的な加入ではなくて、全くもって予期せぬ出会いだったんだ。

バーリー:そうそう。「今日からヴァージル君が加入します」って言ってパーティ開いたりとか、そんなことは全くなく、気付いたら入ってた感じかな。笑

―では、バーリーとルイスにお訊きしますが、ヴァージルがイエスのギタリスト、スティーヴ・ハウの息子だと聞いた時、どんな風に思いました?

バーリー:最初、ヴァージルは父がスティーヴ・ハウだなんてこと一言もいわず、「昔俺の親父もバンドやってて……」くらいしか言わなかったんだけど、ある日ロイアル・アルバート・ホールでのライブの時、「今夜のギグに親父が来る」って言って紹介されたのが彼で、めちゃくちゃビックリしたよ。笑

ルイス:それまで、本当に黙ってたからね。笑

バーリー:うん。本当にあれは自分の親に観られるより緊張したよ。伝説的なバンドのギタリストに自分のギター・プレイが観られるんだって思ってさ。笑

―今作のタイトル『King Of The Waves』ですが、絶対あり得ない話とは思うのですが、僕はアメリカのウェーヴスというバンドの新作のタイトル『King Of The Beach』と不思議なシンクロを感じてしまいます。この偶然は知っていましたか?笑

ルイス:イエス、知ってるよ。何人かに指摘された。でも、正直、彼らのサウンドをちゃんと聴いたことがないから何とも言えないな。

バーリー:俺たちが彼らに凄い影響を与えたんじゃない?笑

ヴァージル:ハハハ!笑
もしかしたら、ユングが提唱したシンクロシニティなのかもね。笑

―なるほど。笑
では、最後の質問ですが、リトル・バーリーは最初のシングルから数えれば10年以上バンド活動が続いているわけですが、こんなにも長く活動していけてる秘訣は?

バーリー:うーん……、マネージャーのおかげじゃない?笑

ルイス:確かに。笑

バーリー:彼がいなかったら何年も前に路頭に迷っていたよ。笑

―いやいやいや、そんな謙遜しないで。笑

バーリー:いや、本当なんだよ!
こうやって日本にコンサートしに来れるようになったのも彼のおかげさ。彼がいなかったら今頃どこか船の上のパーティか何かでプレイしてたんじゃない? 誰も音楽なんか聴いていないような場でさ。笑

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