『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』主演マイケル・セラ インタビュー
Posted on 2011.04.16
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4月29日(祝・金)より、シネマライズ他で順次全国公開される『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』。映画ファンからの署名活動も話題となった本作の主演俳優、マイケル・セラに行ったインタビューの全文を紹介します。

-こんにちは。
私達は「Hard To Explain」という音楽や映画等、海外のカルチャーを紹介している雑誌です。
マイケル・セラ(以下マイケル):(ニコニコしながら)知ってるよ、僕自身がよく“Hard To Explain”って言われてるから。
-(笑)ちなみにThe Strokesの同名曲は知ってます?
マイケル:うん、知ってるよ。いい曲だよね。
-さて、ようこそ日本へ。今回が初来日?
マイケル:ありがとう、今回が初来日なんだ。
-どんな感じで過ごしてます?
マイケル:すごく楽しんでるよ。ほとんどの時間はここ(インタビュー用の個室)で過ごしてるけど、日本に来れて本当に嬉しいよ。
-どこか観光したり、美味しいもの食べましたか?
マイケル:いっぱい食べたよ。色々食べたけど、今日のランチは・・・えーっと・・・なんだっけ・・・あ、チャンポンを食べたよ。量も多かったけど、すごく美味しかった!
-今回の映画『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(以下『スコピル』)ですが、この映画に関わる事になったきっかけは?
マイケル:だいぶ前、2007年くらいのミーティングでエドガー(・ライト監督)に会ったんだ。お互い自己紹介して、彼がこの映画について僕を主演にしたいって言ってくれたんだ。エドガーの作品の大ファンだったし、本当に興奮した。
それから時間が経って脚本が形になりつつ、僕もちょっと年をとったけれど着々と作品は前進してた。あまり時間が経つとうまくいかない事が多いけれど、エドガーが僕の出演作を気にいってくれたこともあって、ここまでたどり着けて嬉しいよ。
-スコット・ピルグリムは難しい役柄だった?それとも思ったより簡単だった?
マイケル:時々大変だったこともあるけれど、全てじゃない。本当にいいチームに恵まれたし、みんなが努力してお互いを尊敬しあってた。他の俳優達が演じている間も見に行ったり、とにかく楽しかったよ。
-劇中ではマーシャル・アーツとカンフーを掛け合わせたようなアクションと、『スター・ウォーズ』の様な剣を持った戦いなど、色々なアクションが混ざっていますが、トレーニングは大変でしたか?
マイケル:剣を使うシーンはキツかったよ。プロの人達とトレーニングをしたんだけど、どうやったらカッコよく見えるのか、何をするとカッコ悪いのか、事細かに教えてくれた。
今までこんな経験したことがなかったから、決まった動きを自然に見せるのは大変だったけど、練習に練習を重ねて出来上がったシーンなんだ。やればやるほど、だんだん気持ちよくなってきたし、何よりも自分を信じてやるのが一番。
しかも持っているのは重いプラスチック製の剣だったから、人の頭に当たったら・・・ゾッとする結果が待ってるし。
たしかスタントマンの一人が、そのシーンで歯を折っちゃったんだ。「僕じゃなくて良かった」ってホッとしたよ。
-(日本語で)良かった~
マイケル:(日本語で)うん、良かった。痛かった。エドガーにいじめられた。

-劇中ではベーシストを演じてますが、誰か参考にしたアーティストはいますか?
マイケル:うーん、特に参考にした人はいないかな。撮影が始まる前に数週間のバンド練習があって、(バンドメンバーで共演した)マーク・ウェバーは一度もギターを弾いたことがなかった。
僕は13歳の頃から弾いてるからやり方は分かるけど、みんなで協力しあってバンドになれるよう頑張ったよ。
おかげで結束力がついたし、撮影初日からうまくいったと思うよ。
-(日本語で)カッコよかったよ。
マイケル:うん(笑)たまには、そういうステップも必要だよね。日本語の「カッコよかった」と「カッコいい」の違いは?
-「カッコよかった」は「カッコいい」の過去形です。
マイケル:わかった(笑)
-本作のサントラはDeath From Above 1979の、セバスチャン・グレインジャーのスタジオでレコーディングを行ったそうですが、どんな様子でした?
マイケル:セバスチャン達と一緒にレコーディングしたけど、スタジオ自体は家のガレージみたいなところで、庭もある素敵なところだった。まるで秘密の庭園にきたみたいで楽しかったよ。
-どのくらいレコーディングにかかったんですか?
マイケル:僕は二度くらいしか参加しなかったけど、マークはボーカル役だから何度も通ってたよ。
-サントラに参加したBeckやBroken Social Scene、Metricとは実際に会えました?
マイケル:MetricとBroken Social Sceneのケビンとは会ったよ。
あとサントラのプロデュースをしてくれたナイジェル・ゴドリッチとも。だけどナイジェルとはその後会ってないなぁ~。ナイジェルは本当に素晴らしい人物だよ。
-ライト監督の『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ホット・ファズ』が大好き、ということですが、アメリカ人の監督とイギリス人の監督(ライト監督はイギリス人)に演出ややり方の大きな違いとかはあるんですか?
マイケル:うーん、今まで僕が関わった監督達は、大きな違いはなかったと思う。
エドガーは彼自身が一つの“ジャンル”として成り立っているような存在だし、セットや機材、一つ一つのショットまで何もかもを綿密に構築してる。
僕はそういう映画を作るプロセスを見るのが大好きだし、本当に勉強になったよ。
-ライト監督は生粋の映画オタクですもんね。
マイケル:本物の映画オタクだし、一緒に色々観たよ。
-どんな映画を観たんですか?
マイケル:撮影前の準備として『五毒拳』『キングボクサー/大逆転』『少林寺三十六房』を観たよ。
あと『イングロリアス・バスターズ』や『コララインとボタンの魔女』も撮影中に皆で一緒に観たかな。共演したメアリー(ラモーナ役)が出てたから『ダイ・ハード4.0』も、トロントの映画館で。
僕とエドガーと共通点としては、映画なら何でも見る、ってところだと思う。彼がキュレーターをやってるLAでの上映会(“The Wright Stuff”と名付けられた、監督自身が好きな映画を上映するイベント)にも行って、『ウォリアーズ』と『ワンダラーズ』の二本立ても楽しかった。
あとはザ・モンキーズが出てる『恋の合言葉HEAD!』も観たけど、あれは変な映画だった(笑)。

-本作は素晴らしい若手俳優が揃っていますが、クリス・エヴァンスやジェイソン・シュワルツマン、アナ・ケンドリックらとの共演で思い出に残っていることはありますか?
マイケル:彼らとは一緒にいて本当に楽しかった。クリスは面白い人で、あんまり真剣に考え込んだりしないタイプ。
ジェイソン・シュワルツマンはアニメのキャラクターみたいで、いつも笑わせてくれたし。僕とエドガー、ジェイソンとアナは一緒にアメリカ中を回ってこの映画の宣伝ツアーをしたんだけど、ジェイソンとは一緒にインタビューを受けてたから、本当に仲良くなれたよ。
-ジェイソンはマックス・フィッシャー(『天才マックスの世界』の主人公役)ですもんね。
マイケル:彼が隣にいるなんて、本当に信じられなかったよ。
『天才マックスの世界』は僕の人生にものすごく大きな影響を与えてくれた映画だったから。完璧な作品だし、一緒に仕事が出来て嬉しかった。
-『紀元1年が、こんなんだったら!?』や『スコット・ピルグリム』という大作に出演する一方で、『Paper Heart』(日本未公開)や『Youth In Revolt』(日本未公開)のような低予算のインディー映画にも出演されてますが、作品を選ぶ時の基準や大切にしていることはありますか?
マイケル:『Youth In Revolt』は原作が好きだったこともあって、長い間出演することが決まっていたんだ。本当に演じたいキャラクターだったし、撮影まで時間はかかったけど。原作が93年に発売されて以来、何度も映画化の話があったから、自分にこの話が来るなんて思いもしなかった。映画化自体が噂の域を出なかったし、もしチャンスがあっても年齢的な問題で無理だと感じてたから。
『スーパーバッド 童貞ウォーズ』が公開された頃にオファーをもらった時は、誰が監督するかも決まってなくて、ミゲル・アルテタ(『チャック&バック』『グッド・ガール』)に決まるまで時間がかかったよ。
他の映画はオーディションで選ばれたり、幸いにもオファーをもらった作品が多いかな。僕が作品を選ぶ時に一番重視するのは「誰が監督するか?」ということだし、僕にとっての基準として「この映画は面白くなりそうだ」って思えること。今まで素晴らしい監督達と一緒に仕事がしてこれたから、いつも幸運だと感じてるよ。
-『キミに逢えたら!』では本作と同じくベース・プレイヤーを演じてますね。
しかも2作品とも“親友がゲイ”という共通点がありますね。
マイケル:あ、ホントだ!(目の前にある『スーパーバッド』のDVDを指差しながら)僕の周りにいる2人組もゲイだよね(笑)
-(一同笑)
マイケル:(日本語で)チャラ男たちです。
-ゲイの友人が多いって偶然ですよね。
マイケル:ただの偶然だよ(笑)『キミに逢えたら!』は、監督のピーター・ソレットが大好きで出演したんだ。彼が監督した『ヴィクター・ヴァルガス』(※)が好きなんだけど、日本では有名なのかな?
-うーん、どうでしょう?DVDは出てないと思いますね・・・
(※日本ではCS放送のみ)。
マイケル:残念だね。でも本当に素晴らしい作品だったから、ピーターと是非仕事がしたかったんだ。
-カット・デニングス(『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』)も出てますもんね。
マイケル:そうだね。

-私達の雑誌は、以前アーケード・ファイアの特集記事の一つとして“カナダのアーティスト特集”を組んで、マイケルも含めて紹介したんです。
マイケル:ホントに?(誌面を見ながら)レナード・コーエンがいないけど、ニール・ヤングは載ってるね。
あれ、ここにマイケル・セラって書いてあるね・・・。
-その人知ってます?
マイケル:(日本語で)彼は私です。
-(笑)
マイケル:でもニール・ヤングは最高だよね。
-(日本語で)カッコいい~!
マイケル:(日本語で)カッコいい~!あとダサカワイイ。
-ちなみにアーケード・ファイアは好きですか?今年のグラミー賞にも選ばれましたが。
マイケル:うん、いいバンドだと思うよ。
-同じカナダ人としてどう思いました?
マイケル:あんまりよく知らないんだ。でもボナルー・フェスティバルか何かで見たんだ。シカゴだったと思う。2万人の観客と一緒に楽しんだよ。
(※シカゴで開催されたフェスならロラパルーザのこと?)
-Mister Heavenlyと一緒にライブをやったり、The UnicornsやIslandsを好きなバンドとして挙げてますね。
マイケル:Alden Penner (元The Unicorns)って知ってる?『Paper Heart』のサントラで一緒に仕事したんだけど、大好きなアーティストの一人なんだ。
-共同作業はどうでした?
マイケル:彼がLAに出てきて、2週間しか一緒に過ごしてないけど、楽しかったよ。インスピレーションを常に与えてくれる人なんだ。
彼が作った『The Hamster Cage』(日本未公開)のサントラは聴いた事ある?手に入れるのが難しいみたいだけど、彼から直接もらったんだ。映画自体はそんなに良くないけど(笑)サントラは最高。
-Aldenが担当したミュージカル・スコアは聴いた事あります?
マイケル:『Dumpster Diving』(日本未公開)のサントラでしょ?あれもいいよね。
たぶんAldenの作品は全部聴いてるんじゃないかな。
でもThe Unicornsは解散してるし、あんまり有名じゃないのが残念だけど。

-話を『スコピル』に戻しますが、故郷カナダでの撮影はどうでした?
自分が育った場所やお気に入りの場所が使われたりしましたか?
マイケル:すごく楽しかったよ。僕自身は(撮影場所の)トロントから、北へ一時間くらい離れた町で育ったから、映画の中で使われることはなかったけど。友達ともトロントで遊ぶようなことはなかったからね。
でもトロントの下町に住み始めおかげで、地理も詳しくなったし、気軽に出かけられる場所もできた。映画に出てくるカフェやピザ屋は、オンタリオにもあるチェーン店だから、ちょっと懐かしかった。
-(日本語で)おいしいの?
マイケル:(日本語で)うん、おいしかった。超おいしい。
-(日本語で)マジ?
マイケル:(日本語で)マジですごい。
-(笑)
マイケル:日本語の「マジ」とか、ウソついて返事するにも使えるよね。
-本当に日本語覚えるのが早いですね。
マイケル:(日本語で)マジ?
-(一同、爆笑)
ちなみに『JUNO/ジュノ』ではモントリオール、『Paper Heart』と『スコピル』ではトロントが舞台ですが、どこかオススメのところはありますか?
マイケル:モントリオールは気に入ってるよ。トロントも大好き。バンクーバーもいいけど、トロントほどではないかな。トロントにはいいレストランもあるからね。”Saving Grace”っていう新鮮な料理が食べられるお店が気に入ってる。
あと故郷の近くでハイキングをするのも好き。ナイアガラの滝に向かってハイキング用の道があるんだけど、全長100kmくらいある道だけど、歩くと気持ちいいよ。あとナイアガラの滝の近くにあるカジノとか。
-今22歳で既に十数年のキャリアがありますが、今後どんな事をやりたいですか?
クラーク・デューク(『キック・アス』『オフロでGO!!!!! タイムマシンはジェット式』)と短編映画を作ったりしていましたよね。
マイケル:もっと脚本を書きたいかな。前に短編小説を書いて出版したけど、いい経験だった。昔から書く事が好きだから、もっと力を入れていきたいと思う。
クラークとは最近何も作ってないけど、彼も『キック・アス』や『Sex Drive』(日本未公開)に出て、かなり忙しいからね。
-『スコピル』は、ファンの署名活動によって公開が実現しました。
マイケル:素晴らしいことだよ。みんなの努力が形になったことは心から嬉しい。エドガーのファンや、原作のファンの力が大きいのかも。それとも海賊版とかで見てる人とかもいるのかな?
-うーん、さすがに違法なのでどうか分かりませんが・・・。
マイケル:確かにそうだよね(笑)世界中でダウンロードはいけない事は分かってるけど、『スコピル』は是非映画館で観て楽しんでほしいと思うんだ。ビジュアルも刺激的だし、音楽もクール、それにアクションも独特だから。他のお客さんと一緒に盛り上がって観てくれることを願ってるよ。
-事前に行われた有料試写会では、劇中拍手も起きてました。
マイケル:ホントに?嬉しいな。報われた気がするよ。
-あなたが来る事もファンが熱望してました。
マイケル:光栄だよ。
-最後に、日本語で何かメッセージをお願いします。何でも結構です。
マイケル:(日本語で)みんな大好き。
私は危ない人ではありません。
お疲れ様でした。あっという間。
私は日本に住んでいない。残念です。
制御不能・・・マジ。いじめられた。いじめないで。
美しい。僕好みの国。
ウケる。
斉藤兄弟とフリスビーをしました。
-(一同、爆笑)素敵なメッセージ、ありがとうございます。
マイケル:(日本語で)今夜酔わせてね。オレってカッコイイ。カラオケ行く?
-行きたい!何を歌います?
マイケル:ハリー・ニルソンの「Without You」かな。
-本当は何歳?35歳?
マイケル:22だよ(笑)両親が好きだったから、影響を受けたんだ。
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Interview : Morihiro Oishi, Chihiro Ikeuchi, Chihiro Kurihara
Photo : Chihiro Kurihara
【作品情報】
『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』
4月29日(祝・金)より、シネマライズ他、全国順次ロードショー!
www.scottpilgrimthemovie.jp
ストーリー:カナダのトロントに住む売れないガレージバンドのベーシスト、スコット・ピルグリムは夢の中で出会った女の子、ラモーナに一目ぼれ。彼女が現実に存在している事を知ったスコットは猛アタックを開始。上手くいき始めた矢先、スコットの前にに現れる刺客達。それはラモーナの元カレ7人で結成された“元カレ軍団”を相手にした、恋と命をかけた戦いの始まりだった!
配給協力:アステア+パルコ
上映時間:112分
キャスト:マイケル・セラ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、キーラン・カルキン、クリス・エヴァンス、アナ・ケンドリック、アリソン・ピル、ブランドン・ラウス、ジェイソン・シュワルツマン、斉藤祥太、斉藤慶太
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