Little Barrie @ Liquidroom Ebisu 11/04/15

昨年12月に一晩限りの東京公演を行ったリトル・バーリーが、わずか4カ月という短いスパンで日本へ戻ってきてくれた!
しかも今回は大阪と東京それぞれでのワンマン公演。この度の震災により、様々な来日公演がキャンセルとなっていた中、これは本当に喜ばしい出来事と言えるだろう。

12月の来日公演に行けなかった筆者にとっては、今回が新作リリース後初の彼らのライブ。つまり、ドラマーがビリーからあの伝説的なプログレ・バンド、イエスのギタリスト、スティーヴ・ハウの息子ヴァージル・ハウに代わってから初のライブとなったわけだ。

ほぼ定刻通りにメンバーは登場。一曲目は現在の彼らの方向性を決定づけている、新作のオープニング・トラック「Surf Hell」だ。その華奢な体型からは想像できないほど切れ味抜群の暴力的なリフと、芯のあるヴォーカルを繰り出すバーリー。ベースのルイスは相も変わらずポーカー・フェイスを決め込み、ほとんど体を動かすことなく黙々と演奏するそのヴィジュアルとは裏腹に、奏でるベース・サウンドは骨太で激グルーヴィー。そのギャップから、ザ・フーの伝説的ベーシスト、“The Ox”の愛称で親しまれた故ジョン・エントウィッスルを彷彿とさせる。新加入のドラマー、ヴァージルもまた、そのルックスから無駄に手数ばかり多くて騒がしそうなドラミングを筆者は勝手に予想していたのだが、良い意味で期待を裏切られた。決して秀でたテクニックを持っているわけではないが、タイトかつパワフルで、こちらのツボを突いたプレイをしてくれる。

このどっしりと構えたリズム隊の上で、バーリーのしなやかなギターが縦横無尽に駆け巡る。前作よりもさらにパワフルかつストレートなロックへとシフト・チェンジした新作からのが曲を中心に、とにかくバーリーはギターを弾きまくる。1stの頃のようなジャズ、ブルース、ファンクから、マージー・ビートを彷彿とさせるモッズ・ライクなプレイまでお手の物だ。ここまで幅広く過去の遺産を咀嚼し、尚且つそこに自らの個性をしっかりと確立させたギター・プレイで観客を魅了する。

思えば、バンド結成から5年以上経ってのアルバム・デビューとなった1st『We are Little Barrie』で世間から大きな注目を集めるようになり、バーリーもプライマル・スクリームやモリッシーのバンドでギターを弾き、様々な経験値を積んだ。とてもデビュー作とは思えない程渋みのある作品だった1stに比べ、2ndはより広い層へとアピールできる可能性が加わった、パワフルで直線的なロックンロールだったが、今作ではそこからさらにまた前進している。初のシングル・リリースから数えればもう既に10〜11年も経過する彼らだが、もしかすると今が最もエネルギッシュで油の乗った良い状態なのかもしれない。と、今回のライブで思ってしまった。
ライブの中盤、「日本の皆さんに捧げます」と言って演奏された2ndからの代表曲「Love You」では、不覚にも涙腺が緩みそうになってしまった。まったく、感謝を捧げたいのはこちらの方だというのに。

Text:Takazumi Hosaka
Photo:Mitch Ikeda

—Setlist—
1.Surf Hell
2.Twisted Little Blades
3.Does The Halo Rust
4.How Come
5.Pin That Badge
6.Money In Paper
7.Why Don’t You Do It
8.Now We’re Nowhere
9.Tip It Over
10.Burned Out
11.I Can’t Wait
12.Love You
13.New Diamond Love
[encore]
14.We Can’t Work It Out
15.Pay To Join

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