Vampire Weekend

Posted on 1月 13, 2010 
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全世界のインディ・ロック・ファン待望のセカンド・アルバム『コントラ』をいよいよリリースするヴァンパイア・ウィークエンド。HTEは昨年の11月にこのアルバムのプロモーションのための来日を果たした彼らに直撃インタビューをすることに成功。今や“ときの人”となった彼らの人となりに迫ってみた。
(インタビューに応えたメンバー:ロスタム・バットマングリ(g,key)、クリス・バイオ(b))

interview : Taiyo Sawada, Chihiro Ikeuchi

第一部 ニュー・アルバムについて

ロスタム「(筆者の80sTシャツを指差して)ナイスTシャツだね」

–ああ(笑)。これ好きそうだと思ってあえて着てみたんですよ。ディスカバリー(ロスタムのサイド・プロジェクト)がこういうイメージだし。やっぱり80sって好きなの?

ロスタム「うん。」

–ディスカバリーでは、あの80sの特にドラム・サウンドとか凝って作ってあったよね。

ロスタム「うん(笑)。あれはすごく奇妙に聞こえるサウンドだからね」。

–今回の『コントラ』でも、ディスカバリーの影響ってやっぱりある感じなのかな?エレクトロっぽいサウンドとかにはそれが垣間見れるような感じがしたんだけど。

ロスタム「それはないと思う。だってディスカバリーはヴァンパイアよりも2年くらい前からあったプロジェクトだし、それが今回に改めて影響を及ばしたってことはないと思うよ」。

–今回のアルバムを聴いて感心したのは、前作だと、1曲1曲バラバラに出ていた要素、たとえばそれはアフリカン・ビートであったり、バロックっぽいクラシカルなメロディだったり、ストロークスみたいなインディ・ロックであったり、エレクトロっぽい音使いであったりするんだけど、そういう要素が一曲単位にまとまってしっかり表現出来るようになって来た点ですね。あなたたち自身では、どんな感じに表現することを心がけたんですか?

ロスタム「今、キミが言ってくれた要素を、前のアルバムとは組み替えてみて、これまでの自分たちが見せてなかった引き出しを出そうとしたことかな。」

–すごく聞こえ方に幅が出たと思いますよ。

ロスタム「そう言ってくれるとうれしいな」。

–あと、そういう意欲的な音作りをしてる一方で、すごく敷居が良い意味で低いというか。みんなが一斉にジョイン出来る親しみやすさも前以上に出てる気がするし。

クリス「それは嬉しいひとことだね。“皆が乗れる”という感覚は僕たちにとっても大事だと思ってるし」。

–あなたたちが最近比較されているところのニューヨーク・シーンとかだと、まだ微妙に敷居が高い感じがするとこあるじゃないですか。アニマル・コレクティヴあたりに代表もされますが。そういう、崇高な高級感がヴァンパイアには良い意味でないというか。これって世代の違いも関係あるんですかね。たとえば、ストロークスやヤーヤーヤーズなんかもすごく突破口になったバンドだと思うんだけど、一般大衆に浸透するにはまだちょっとお高く聴こえるとこがあったのかなと。

ロスタム「えっ、お高いってストロークスが?」。

–うん。少しだけど。

ロスタム「うーん。アニマル・コレクティヴとかでそう言うのはわかるけど、ストロークスってのは違うと思うけどね。彼らには抜群のユーモア・センスもあるしさ。それはあくまでキャラクターの問題であってさ。」

第二部 知られざる、お笑いと映画の趣味

–(質問者が池内に交代して)こないだ当ウェブ・サイトでヴァンパイア・ウィークエンドのファッション特集やったんです(と、プリントアウトした紙を渡す)

クリス「どれどれ。(しばらく見入った後に)へえ?、面白いなあ。これ、もらっていい(と嬉しそう)」。

–ファッションに対して何か特にこだわりとかは。

ロスタム「特にないな(笑)。(自分が)そういうタイプだとはあんまり意識してないからなあ」。

–ヴァンパイアって、最近すごく海外だとファッション誌やカルチャー誌が注目する存在になっていますけど、映画で使われることって思ったより少ない気が私はするんですけど。

–(太陽横やり)えっ、あるじゃん。『俺たちステップブラザーズ』。

(ここでクリスとロスタムが共に大爆笑)。
クリス「なんか、そうらしいよね。」

–うん。「A-Punk」がかかるの。

ロスタム「あれ、まだ見てないんだけど、良かった?」

–いや、そうでもない(笑)。ウィル・フェレルの映画の中ではダメな方だと思います。

–(ここで池内が)私、実はウィル・フェレルって苦手で(笑)。

クリス「えっ、なんで、なんで(笑)」。

–なんかマン臭が強いというか、クドい感じが(笑)。

–(太陽)たしかに、ここ数本の主演作は良くないけど、でも…。

ロス「よし、じゃあ、僕がウィル・フェレルを擁護しよう(笑)。彼はもともと才能あって面白い人だと思うんだ。だけど問題がひとつあるとするなら、彼を使って金儲けしようとして、彼をずっと引っ張り上げる人がいけないと思うんだな」。

クリス「僕らの曲はコメディ映画には使われてるよね。『四十男のバージンロード』でも使われてたしね」。

–映画はどういうのが好きなの?

クリス「いろいろだけど、日本の映画も見たりするよ。こないだも見たな。クロサワだよ。あの中年のオジサンの…。なんて発音するだっけ」。

–『生きる』?

クリス「そうそう、それそれ!良い映画だったな」。

ロスタム「僕はフランス映画が好きだな。旧作・新作問わずね」。

第三部 日本語の真相

–ところで、ファースト・アルバムに日本独自のタイトルがついてるのって知ってる?

ロスタム「ああ、それ聞いたことあるな。なんて言うんだっけ?」

–『吸血鬼大集合』

ロスタム「ああ、それそれ!」

–意味知ってる?

ロスタム「いや、知らない」

–要約すると、「Hey, Vampires! Let’s Get Together!」って意味だよ(笑)。

ロスタム「(目を見開いた後に顔を頭で抱えて)ゲゲーッ(苦笑)。おい、マジかよー(笑)。それは、やめて欲しかったなあ。じゃあ、『コントラ』はなんてタイトルがつくのかな?」。

–それは普通に『コントラ』で。

ロスタム「そうなんだ。あれは日本の昔のゲーム名から取ったんだけど、あれ、たしか漢字あったよね。教えてくれる?」

–えーっと、たしか“コン”が魂(spirit)で、“ト”が斗(fight)で…。

ロスタム「“ラ”は?」

–えーそれ、日本人でも難しいなー。テンプラ(天麩羅)のラ(羅)と同じ文字なんだけど、意味まではわからないなー。

ロスタム「うーん、すごく気になる(笑)」。

まとめ

アルバムの話より、ウィル・フェレルで話が脱線してからの方が面白いインタビューでした。実際、大笑いの場面は多く、隣部屋で静かにインタビューを受けていたエズラ(vo)、クリストファー(ds)チームのアテンドから「やたら笑い声が聴こえてたんですけど、何かあったんですか?」と聞かれたほどでした。なお彼ら、コメディはかなり好きらしく、別の雑誌による「2009年のベストアルバム」に、本誌でも紹介したことのある、人気コメディ番組『サタディ・ナイト・ライヴ』から生まれたコメディ・ラップ・グループ、ロンリー・アイランドのアルバム『Incredibad』を入れていました。

そして、このインタビューの後、ロスタムはレコード会社スタッフに、自分たちのポスターに書いてある日本語の意味について逐一尋ね、「まさか、Vampires, Let’s get together! なんて意味じゃないよね?」などと質問までしていたそうです。

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