Girls@10/01/14 Harajuku Astro Hall

Posted on 1月 19, 2010 
Filed Under live review

Photo: Teppei
Text: Takazumi Hosaka

1月14日、この日の原宿アストロホールはかつて見たことがないほどにギュウギュウ詰めの満員状態だった。開演前、ライブハウスのスタッフがひっきりなしに「すいませーん、1歩づつ前に詰めて下さーい」という声を上げている。恐らく、本人たちですらも予想していなかったであろう程の集客ぶり。サンフランシスコから突如出てきた、まだデビュー作(それもほとんど宅録の!)をリリースしたばかりの新人にしてはかなり異例な出来事ではなかろうか。それほどまでに彼らが今の時代において必要とされているのだという事を、改めて思い知らされるような光景であった。

開演時間から少し過ぎた頃、何の演出もなしに登場したのはクリスとチェット・JR・ホワイトの2人に加えて、サポートのドラマーと同じくサポート・ギタリストのDominant Legsというユニットでも活動している同郷のミュージシャン、ライアン・リンチの4人編成。気になるクリスの格好はというと、白地に黒の水玉模様の柄シャツをジーンズにイン。裾はもちろんロールアップ。そして上からもう一枚赤いシャツを羽織っていて、本当に80年代の映画の主人公がタイムマシンに乗ってこの2009年に来てしまったかのような出立ち。しかも良く見ると、脇に花束を抱えている。ギャグなのか本気なのか全くわからない。

オーディエンスの歓声に少々応えながらも、やや緊張した面持ちのままドラムが鳴り響き、始まった一曲目は「Laura」。ややテンポも抑え目で、どことなくバンド・アンサンブル自体がぎこちないし、ギターの音色もペラペラ。しかし、リッケンバッカーを目一杯高く構え、片足を上げてフラミンゴのような体勢で歌うクリストファーの姿は本当になんていうかもう、無邪気な少年そのもの。とても30過ぎのオッサンには見えない、その無垢な姿のせいか、会場も非常にリラックスした雰囲気に。

続いて「Ghost Mouth」、「Headache」とスローなナンバーを立て続けにプレイ。徐々にギアが入ってきたように感じたが、しかしまだどこか“高校の文化祭で演奏する友人のバンドを観ている感じ”が払拭できなかった。というか、結局最後までそれは拭えなかったのだが。しかし、それこそがガールズがガールズたる所以なのかもしれない。そして、4曲目にはその日の前の晩に急逝してしまったジェイ・リータードに捧げると言って「Darling」を。ここはかなりグッと込み上げてくるものがあった。
続いて、現段階での彼らの一番の代表曲、「Lust For Life」を投下。観客から沸いた歓声も気にせず、ひたすらに自らの元を去った恋人の事を綴った、生々しくて痛々しいこの曲を歌い上げる。やはり一本足で。

新曲なんだかカバーなんだかよくわからない、アルバム未収録のナンバーも数曲挟みつつ、その後も淡々と演奏していく彼ら。しかし、後半になってようやくクライマックスとでも呼べるような瞬間が訪れる。

それは、アルバムにおいても重要な位置にある「Hellhole Ratrace」から「Morning Light」へと繋がる流れ。
ゆるやかに始まり、「俺は死にたくない、泣きたくない」と歌う渾身のガールズ流バラードの後半、ノイジーなギターが畳み掛け、フロアをノイズで覆い尽くす。そのノイズの隙間から急につんのめったドラムが滑り込み、クリストファーがリヴァーブの深くかかった声をあげ、歌い始める。間違いなくこの流れがこの日のハイライトだったと思う。本当に圧巻だった。

そこで、終わるのかと思いきや、その後数曲スローなナンバーをプレイし、本編終了。
アンコールもこれまたスロー&ミディアム・ナンバーである「Lauren Marie」と「Life In San Francisco」で終演。全体的にみて、非常に良いライブだったとは思うが、しかしそれと同時に若干冗長だった感も否めない。もう少しコンパクトにまとめ上げる事ができれば……、とも思ったが、でもそんな風に考えたり案を練ったりしている彼らの姿はちょっと想像できないし、あまり観たくないかも。このグダグタな感じも含めて、彼ららしさなのだと思う。彼らは(特にクリスは)どこまでもピュアでどこまでも無垢に見える。そう、それはまるで少年が思春期を吹っ飛ばしてそのまま大人になってしまったかのような姿だった。

Set List

1. Laura
2. Ghostmouth
3. Headache
4. Darling
5. Lust For Life
6. Heartbreak
7. Substance
8. Big Bad Mean Motherfucker
9. Oh Boy
10. God Damned
11. Lysandre
12. Hellhole Ratrace
13. Morning Light
14. Solitude
15. Carolina
<E.C.>
16. Lauren Marie
17. Life In San Francisco

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