Girls

Posted on 2010.01.28 
Filed Under interview

Interview:Takazumi Hosaka
Photo:Yuki Asakura


一昨年に引き続き、俄然隆盛を極めているUSインディ・シーン。その中でも一際注目を集める、流星の如く突如現れたサンフラシスコ出身の2人組、ガールズ。
昨年出したデビュー作は、NMEやPitchforkをはじめとする海外メディアでも軒並み高評価。そして遂に初の来日公演を果たした彼らに、色々なことを突撃インタビュー!
・・・が、しかし、筆者の安直な質問に、後半やや気まずい雰囲気が流れることに……。このちょっとヤバそうな、ピリピリとした空気感も感じ取って頂ければ幸いです…トホホ・・・。

―えーと、今回が初の来日になるわけですが、いつ日本には着きました?

クリス:昨夜着いたばかりだよ。

―じゃあ、まだ観光的な事は何もしていないんですね。

クリス:うん、そうだね、まだほとんどどこにも行けてないんだ。昨日、一時間ほど、ブラブラしたくらいかな。

―今夜のライブの後とかはどこかに行く予定とかあります?

クリス:もちろん! アメリカやヨーロッパは深夜1時くらいまでショウをやる事が多いけど、日本って7時とか8時くらいから始めて、9時くらいには終わるんでしょ? だからそれからどっか行こうと思っているんだ。

―なるほど。では、ちょこちょこ音楽の話に入らせてもらいますね。えー、クリスがよく、スウェードやニルヴァーナのバンドTを着ている写真を見かけるのですが、やはりそれはそれらのバンドから強い影響を受けたからですか?

クリス:もちろん! 実は、ちょっと前までほとんどパンク・ロックしか聴いていなかったんだけど、その2つのバンド、特にスウェードはパンク以外の様々な音楽を聴き始めるようになったキッカケみたいなバンドなんだ。

―へー、そうなんですねー。ちょっと意外です。では、あなた達のホーム・グラウンドであるサンフランシスコについて少しお聞きしたいのですが、ずばりサンフランシスコの音楽シーンはどうですか?

クリス:素晴らしいよ。様々なジャンルの、多種多様なバンドが本当にいっぱいいるんだ。

―じゃあ、特にお勧めのバンドは?

クリス:Thee Oh Sees知ってる? それからー、Ty Segall、Tamanya、Dominant Legs(今回の来日公演でサポート・ギタリストとしてプレイしていたRyan Lynchのデュオ)…。挙げればキリがないけど、このくらいで良い?笑

―あ、はい。大丈夫です。笑
では、サンフランシスコから近い、LAのシーンはどうですか? 昨年世界的に注目を浴びていた
ノー・エイジミカ・ミコなどが拠点としているスメル(LAのD.I.Y.アート・スポット)周辺のアーティストとかと繋がりなどはありますか?

クリス:いや、彼らとは全然繋がりはないんだけど、LAには他にHuman Ear Musicっていうコミュニティみたいなのがあって、実はアリエル・ピンクやホーリー・シットとかもそこに入っているんだけど、そのコミュニティはレーベルのような働きもしているんだ。そこら辺のアーティストとはかなり仲が良いよ。

―なるほどー。では、そのHuman Ear Music周辺で、特にお気に入りのアーティストは?

クリス:Ariel PinkHoly ShitNite JewelGeneva JacuzziJohn MausThe Lilys……これも、挙げればキリがないな。笑

―そういえば、あなた達はアリエル・ピンクやホーリー・シットなどがキッカケで音楽を始めたんですよね?

クリス:そうだね。彼らに出会うまで僕はサンフランシスコでペインターの仕事をしていたんだけど、彼らがサンフランシスコにプレイしに来た時に知り合って、で、ホーリー・シットに聴いてもらう為に自分達で音楽をプレイし始めたんだよね。

―なるほど。
では、昨年辺りから50~60年代のロックンロールやポップスに色濃く影響されたバンド、例えば
Magic KidsThe DrumsSmith Westernsみたいなバンドがポツポツ出てきていますが、彼らの事はどう思っていますか?

クリス:スミス・ウェスタンズやマジック・キッズは大好きだし、みんな友達だよ。でも、ドラムスはちょっと関わりがないな。

チェト:っていうかドラムスは嫌いだね。笑

クリス:ハハハ。でも、確かに彼らは友達だし、彼らの姿勢やアティテュードには近いものを感じるけど、やってるサウンドというか目指す方向性とかはそれぞれバラバラな気がするね。

―なるほど。では、よくあなた達の音楽が語られる際、ビーチ・ボーイズや90年代のシューゲイズ・バンドなどの名前が引き合いに出されていますが、実際に彼らから受けた影響は大きいのでしょうか?

クリス:うん、もちろん。確かに影響は受けているよ。でも、それは僕らの音楽の中のごく一部に過ぎない。もっともっと色々な音楽から様々な影響を受けてきたし、その2つが僕らのサウンドの全てではないよ。

―確かにそうですね。じゃあ、アルバムの話を少し聞こうかと思うのですが、今作は曲によってはかなり荒い音質の、ローファイな感じの楽曲もありますが、これは意図的にしたのか、それとも単に機材の問題でそうならざるをえなかったのか、どちらなのでしょうか?

クリス:ローファイ? 自分達の音楽がローファイだなんて思ったこともなかったよ。笑
もちろん、自分達としては出来る限りハイファイな録音を目指したんだけど、機材とかお金の問題でそうなってしまったんじゃないかな。っていうかほとんど宅録だしね。

―あ、そうなんですか。結構古い時代のロックンロールからの影響も感じられたので、故意なのかなー、と思ったりもしたのですが……。

クリス:いやいや、違うよ。笑

チェト:っていうか、そもそも「ローファイって一体何なんだ?」って思うよ。例えば、どういうバンドがそれに該当するっていうの?

―うーん、例えば、ペイヴメントなんかはよく「ローファイの元祖」とか言われていますけど……。

チェト:ペイヴメントか……、あまりよく知らないな。
でもさ、今のインディ系のバンドでカッコつけてわざとやってるようなローファイは大嫌いなんだよね。君がさっきいった50~60年代のバンドってさ、当たり前の話だけどわざとローファイな音質を目指していたわけではなくてさ、彼らは彼らの時代でできる限りハイ・ファイなものを努力し目指して作ったわけで、やっぱりお金と機材があるんだったら、自分達の出来る限りハイファイなモノを作ろうとするのがミュージシャンとして正しい姿勢なんじゃないかな。

―そ、そうですね…。

チェト:最近本当に色々なインタビューでノー・エイジみたいなやつらと同じような、カッコつけたローファイ・バンドに自分達が括られたり、そういう質問をされる事が多くて、正直、ちょっとイライラしてるんだ。

―(ヒー!)す、すいません!

クリス:いやー、大丈夫だよ。半分冗談さ。笑

チェト:ハハハ。

―(半分本気か! ヒー!)
で、では、ちょっと話を変えて、アルバム製作における曲作りのプロセスなどを教えてもらっても良いですか?

チェト:まずクリスが歌詞と曲を書いてくるんだ。で、それをPCに取り込んで僕に渡してくるから、それを僕も聴いて、色々なアイディアをお互い出し合う。もちろん、お互いのアイディアを100%一曲の中に詰め込むのは不可能な話だから、丁度良い場所、お互いのアイディアの中間地点というか妥協点を探りあう。ってな感じかな。でも、2人で曲を作っていると、時々、自分ひとりでは絶対予想もできなかったようなものに仕上がったりするから、正直、ライブよりもスタジオで曲作っている方が好きだね。

―ちなみに、アルバムではドラムはどっちがプレイしているんですか?

チェト:実は最初の2年くらいの間、色々なミュージシャンとプレイしてみたんだけど、何だかんだ言ってドラムは今のGarett Godardが一番しっくりくるから、彼にお願いしているんだ。まぁ、一番初めのレコーディングでは実は僕がドラムをやってみたんだけど、それがあまりにも酷くて…笑
彼はまだどこにも名前が出ていない、サンフランシスコの秘密兵器さ。覚えておいた方が良いよ。笑

―なるほど。覚えておきます。笑
では最後の質問なのですが、そういえば、クリスはガス・ヴァン・サントの映画「Milk」に、ガス監督に直接スカウトされてエキストラ出演したと聞きましたが、その経緯などを教えて頂けますか?

クリス:えーと、元々正規のルートでエキストラに応募したんだ。で、そのエキストラ希望者は会場に行って名前を記入するんだけど、そこの帰りに彼に話しかけられて、出演する事になったんだ。でも、いざ撮影になると、彼はとても忙しそうにしていたから、全然話すことができなくてちょっと残念だったよ。

―正直、あなたが出てた事、全然気づきませんでした。笑

クリス:ハハハ。だって、ほんの一瞬だから。笑

※オマケ サインを書く2人

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