Astro Coast / Surfer Blood
Posted on 2010.01.27
Filed Under album review
NYで開かれるインディ・ロックの青田買い場CMJ Music Marathonで2009年話題になったパームビーチ (フロリダ州)の5人組のデビュー・アルバム。
ネット時代は注目されるのも早いけど、忘れ去られるのも早いもの。そんな中、約3ヶ月というタイミングで作品をリリースしたという点で、他から一歩抜き出たことになる。
そしてその作品はというと、新しい10年代の聴き初めにおススメしたいアルバム。2009年の音はどこか憂鬱であったり、捻くれていたり、高尚だったりした印象があるが、サーファー・ブラッドの音は純真な優しい趣き。そしてなによりポップである。80sのギター・ポップに90sのUSオルタナティブ・ロックが合わさったようだ。
シングル曲「Swim」は力強いヴォーカルが印象的だけどソフトなロックソング。パーカッションとキーボード担当のMarcos Marchesani (もしゃ髪眼鏡)の働きぶりがすごい。彼がこのバンドに入ったことで、よくあるギターバンドに留まらずトロピカルで踊れるロックを実現させている。
しかしアルバム全体ではこの曲だけからは想像できなかった様々な表情をみせる。ギターのThomas Fekete(小猿)とヴォーカル・ギターのJohn Paul Pitts(リーダー)がひっぱってジャムる様に曲が展開していくのが快い。それが時にはヴァンパイア・ウィークエンドのアフリカンリズムのメロディだったり、フリート・フォクシズの美しいコーラス・ハーモニー、MGMTのサイケデリックな世界を感じさせるから、若いリスナーにとって次に手に取りやすいといえる。事実、本人たちもインタビューで影響を受けたバンドにWomenや、Holiday Shores、The So So Glosなど最近のバンドを挙げていた。
というのも、彼らはまだ20代前半。大学を卒業してからバンドを結成したから活動期間はまだ短い。「ハイプになりたくない」と言っているが、この様子だとそれは避けられないだろう。サーファーの血統でその波をも越えて行って欲しい。(メンバーは誰もサーフィンしないらしいけど。) (池内ちひろ)
out now | Kanine Records
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