Acolyte / Delphic.
Posted on 1月 24, 2010
Filed Under cd review
今さら言うまでもないかもしれないが、BBC Sound Of 2010第3位にも選出され、今年活躍を最も期待されているアクトの一つである、マンチェスターの若き3人組のデビュー作が本作だ。
ジョイ・ディヴィジョン、ニュー・オーダー、ストーン・ローゼズ、ハッピー・マンデーズ、オアシスなどなど……挙げればキリがないほど、過去に偉大なるミュージシャンを輩出してきたかの地から彼らは出てきたわけだが、しかし、彼らはそのような過去のレジェンド達の素晴らしい功績をリスペクトすると同時に、それから15年以上経った今でも未だに過去しか振り返ろうとしない頭でっかちな人々に対し、警鐘を鳴らそうとしている。
「せっかく素晴らしい未来が向かってきているかもしれないのに、後ろばかり見ていたらそれを見過ごしてしまうだろ」。これは来日時のインタビューで彼らが語っていた言葉だが、まさに今は、彼らの地元マンチェスターだけでなく、イギリス全体が活力のない保守的な姿勢に入っている。このように衰退していく一方のイギリス音楽業界に、唯一光を差し伸べる存在こそが彼らであり、この作品ではなかろうか。
アンダーワールドのようなミニマル・テクノと、ニュー・オーダーのように胸打つメランコリックなメロディ、そしてそれらをバンド・サウンドとして表現する。静から動へ。徐々に徐々に聴く者の感情を昂ぶらせていき、頂点へと達すると共に凄まじい破壊力をもってして大爆発。そしてまた静かに始まる……。まるでミックス・アルバムのように淀みなく流れる全10曲。素晴らしく完成された作品だ。これでデビュー作というのだから恐れ入る。
エレクトロとロックの融合なんて、もう聴き飽きた。もっと新しいサウンドを望んでいる、という方々、必聴です。 (保坂隆純)
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