XX / The XX
Posted on 9月 30, 2009
Filed Under cd review
09年デビュー組の中でも凄く好きな作品。英サウスロンドン出身、若干20そこらの中学校からの幼馴染4人組The XX。
この魅力をどう伝えたらいいか、難しいが、チャレンジしてみると、まず素晴らしいのがボーカル。
男女ボーカルはそこに漂うエロティックな雰囲気を楽しむものだと思うが、彼らはセクシーさで魅せるタイプではない。退廃的でカッコイイという感じではなく、漂う倦怠感が心地いい。この心地よさと深みはどこから来ているのだろう。そこにある悲壮感はまるで絶望的で報われない恋愛映画を見ているようだ。劇中に感情を乱す忘れがたい場面が現れるように、曲ごとに心動されるシーンが展開される。もしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれない。私はこの女性ボーカルの声が本当に可愛いと思う。特に語尾の後を引く発音が。
またバンド構成がユニークで、ギター、ベース、シンセサイザーにドラムは不在でドラムマシン。リズムを舵とるドラムマシンのチリチリした電子音が全体に緊張感を与えている。シンセサイザーのメランコリーなメロディは、無感情の氷のように冷たいトーンで歌う2ボーカルをバックに、演奏で感情の襞を表現しているかのよう。
ボーカルの抑揚の合間の絶妙なタイミングで挟まれる電子ハンドクラップ音もすごくいい。M4「Crystalised」M8「Basic Space」も素晴らしいがボーナストラックの「Hot Like Fire」。そう、アリーヤのカバー(!)彼らの音楽からは想像できないが、ヒップホップからもかなりの影響を受けているらしい。
巷の数あるシューゲイジーバンドの中でもこの深淵さと現実感!本物の匂いがする。(林麻美)
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