Watch Me Fall / Jay Reatard
Posted on 8月 13, 2009
Filed Under cd review

「生まれ変わったらJay Reatardになりたい」って言ったら、「それも楽しいかもね」って軽く流されました。でも、Jay Reatardでいるってことは、ずっと少年でいられるってこと。“Man”でも“Guy”でもなく“Boy”。これって、簡単そうでなかなかそうはできないこと。
2006年の『Blood Visions』以来となる久しぶりのオリジナル・アルバムである今作を聴いていると、すごく夏を想像する。夏休み、少年たちの遊びと冒険。
そういったイメージでは、今っぽいWavvesにも似たものを感じるけれど、Wavvesがギターとドラムによる即興的なものに対して、Jayの方は3ピースのバンド編成で、音のバラエティも増えてくる。15歳から今に至る長い音楽人生で培ったこれぞJayの鳴らす今のロック。ガレージ・ロックはもちろん、Lost Soundsで担当していたシンセも今回は使用している。ガレージというイメージや、Jayのビジュアル(確かに今回のアルバムジャケットはどうなの?)から女の子は嫌厭してしまうかもしれないが、The CleanやThe VerlainesなどのNew ZealandのTweeともいえるバンドをフェイバリットに挙げているだけあって、意外にも胸がキュンとなる。
1曲目の「It Ain’t Gonna Save Me」はポップでノリの良いこれぞJay節といったナンバー。4曲目の「Can’t Do It Anymore」あたりからはハードなガレージ・ロックを聴かせてくれる。6曲目の「I’m Watching You」はシングル・コレクションのボーナストラックでも収録されていたけど、歌詞やアレンジが微妙に変わって、よりロマンティックなラヴ・ソングに仕上がっている。9曲目の「Nothing Now」以降はシリアスな面も覗かせる。そして、ラストの「There Is No Sun」がすばらしいエンディングを飾っている。まさに夏の終わりに感じる気持ちにさせてくれる名曲。
夏のどのシーンにもこのアルバム1枚あればぴったりのテーマソングがみつかるはず。(池内ちひろ)
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