Rainwater Cassette Exchange / Deerhunter
Posted on 5月 27, 2009
Filed Under cd review

まるで軟体動物のようにスタイルを変えるバンドだ。卵をあっちゃこっちゃに産み散らかしながら進む変態動物みたい。先日、NEW EP「Rainwater Cassette Exchange」のフリーダウンロードサービスを開始したdeerhunter。各誌からの大絶賛を浴びた前作「Microcastle/Weird Era Cont.」からわずか10ヶ月。ツアーまっただなかの合間を縫ってのリリースとなる。この日本版の発売でさえ来たる7月を予定してるというのに。しかもVOのBradford CoxがAtlas Sounds名義のデビューアルバム「Let the Blind Lead Those Who Can See but Cannot Feel」を出したのも実は2008年だった。
おそらくBlog等をみるにCox氏の頭の中には涸れない創作の泉があって、泳ぎを止めると死んでしまうマグロのように何かを作っていないといてもたってもいられないのだろう。Ryan Adamsのように全てを追いかけるのに多大な労力を使うタイプのアーティストだが、追う価値は、ものすごくあると思う。
今作では、前作の特徴とも言える脳みそトロトロのシューゲイザーノイズは影を隠し、アップテンポで、よりポップな楽曲が目立つ。サイケデリック+ポップという意味ではBlogでCox氏もたびたびフェイバリットに挙げているAnimal Collectiveの新作の影響もあるのかもしれない。
中でも私のお気に入りはM4の『Game of Diamonds』。珍しくピアノの低音を芯にした曲で、絡みつくアコースティックギターのストリングスと、囁くように言葉を紡ぐボーカルがソフトでとても美しい。
アルバムの最後を飾るM6の『Circulation』も実におもしろい。まるでドゥーワップの女子コーラス隊をバックにMy Bloody Valentineがプレイ、白熱し、コーラス隊をも巻き込んでみんなのグルーヴが絶頂に上り詰めていく様を刻々と再現したようなナンバーで、あまりにも荘厳なサウンドスケープに鳥肌が立つ。
タイトル曲も聞いて欲しい。「ヒトメボレなんてありえるの?」とお墓から呟くキュートなゾンビの歌なのだ。
そんな彼ら、もういくつ寝ると、東京を皮切りに全国ツアーがスタートする。
サウンドからは想像できないけど、ライブではメンバーが頭から血のりをかぶったり、COX氏がドレスにお召し替えしたりと、かなり楽しいらしい。来日記念版ともいえるこのタイミングのリリース。タダだし(CDの発売は6/9)ライブへ行く人は絶対にダウンロードして予習しておいてください!(林 麻美)
Tags: Deerhunter
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