The Kills @ 12 / 08 Shibuya O-East
Posted on 12月 29, 2008
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ブラッド・レッド・シューズ終了後、短い転換。ドラムセットが片付けられ、数台のアンプとドラムマシーンの小さいコントローラーだけという殺風景極まりないステージに。そしてしばらくした後に暗転、間を空けずにピチピチで超タイトなライダースジャケットを着たルー・リード似のホテルと、マントのようなでかい布を羽織ったヴィヴィが登場すると同時に会場からは歓声が溢れる。やはりキャリアの違いか、今回は彼ら目当てのお客さんが多かったように感じた。
オーディエンスの歓声を尻目に電話の呼び出し音が鳴る。そう、一曲目は新作からの「U.R.A. Fever」だ。濃厚でダウナーなグルーヴに乗っかるのは気だるいヴィヴィのヴォーカル。オーディエンスを挑発しているかのように、髪を振り乱しながら歌うヴィヴィの官能的な動きはパティ・スミスやPJハーヴェイを髣髴とさせる。そしてボディーをガンガン叩いて出すノイズや、時にはハウリングすらも演奏の一部に取り入れてしまうアーティスティックなギター・プレイで観客を魅了するホテル。この2人、ただ何もせずにステージに突っ立っているだけでも充分絵になりそうな気もするが、これだけ魅力的な男女がクールなロックンロールを演奏しながら、さらにお互いの顔がくっつきそうになるくらい近づいたりして絡み合うのだ。そりゃあ当然抗いようのないくらいカッコ良くなるに決まっている。その様はまさにロックンロール歌舞伎とでも表現したいくらい、芸術的なものであった。ずるい。ずる過ぎる。しかし、落ち着いて第三者の目線から見ればなんの飾り付けもなく、ついでにドラムセットすらない殺風景で無駄に広いステージ上で、たった2人の人間が演奏しているだけなのだが、これがその場にいる人間にはステージが全く広く感じず、それどころか2人の作り出す濃厚で妖艶な世界がはっきりと見えてしまい、まだまだこの2人にはこんなステージじゃ狭すぎる、と思えてくるから不思議だ。
新作「Midnight Boom」からの曲群を中心に、所々に過去の代表曲を差し挟む計14曲。本編最後でのドラムマシーンのトラブルには冷や汗をかかされたが、どうやらホテルの操作ミス(?)だったらしく、すぐに立て直して一安心。アンコールの最後はお馴染みの、原曲をさらに攻撃的に、ノイジーにアレンジしたキャプテン・ビーフハートのカバーで幕を閉じた。いやはや、終わってから全体を振り返ると、ブラッド・レッド・シューズの出来栄えも申し分のないものではあったが、やはりキルズの、貫禄さえも感じさせる鬼気迫ったパフォーマンスには圧倒されてしまった。正直な所を言って今回のカップリング・ツアーはキルズに軍配が上がるのではないだろうか。 (保坂隆純)
Photo:Yuki Kuroyanagi
The Kills @ Shibuya O-East 12/08
U.R.A. Fever
Pull A U
Sour Cherry
Tape Song
No Wow
Alphabet Pony
Last Day Of Magic
Kissy Kissy
Black Balloon
Hook And Line
Getting Down
Cheap & Cheerful
Fried My Little Brains
—Encore—
Drop Out Boogie
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