Blood Red Shoes @ 12 / 08 Shibuya O-East

Posted on 12月 29, 2008 
Filed Under live review


キルズとブラッド・レッド・シューズ、これはまさに待ってましたと言わんばかりの素晴らしい組み合わせだ。どこか艶っぽく、妖艶な雰囲気を持つ、この男女デュオ2組のカップリング・ツアー。先手は昨年のブリティッシュ・アンセム、今年の3月の単独公演、サマーソニック、そして今回の公演でなんと4度目の来日となるブラッド・レッド・シューズ(大阪公演では順番を逆にしたそうな)。正直な話、サマソニでの彼らの演奏がいまいちピンとこなく、音響設備の悪さ(これは場所柄仕方ない事だが)も相まって、実は彼らに対しては少々残念な印象を持っていたのだが、今日の彼らは違った。いや、これこそが彼らの持つ本来の実力だと信じたい、そう思わされるライブだった。


まず、一発目にシングル曲である「It’s Getting Boring By The Sea」を持ってくるのが彼らのお決まりのパターンだったのだが、今回はややテンポが遅めの「Try Harder」でライブがスタート。タイトでパワフルなスティーブンのドラムが生み出す、骨太なグルーヴが会場内に渦巻き、そこに乗っかるのは写真で見るよりも数倍美しいローラのザラザラとした質感の歪んだギター。もうこの時点で“ああ、成長したな”という事が確認でき、子供の成長を喜ぶ父親のような気分になってしまったのだが、個人的に一番やられたのは4曲目に披露した新曲(曲名不明)からの「It’s Getting~」、「It Is Happening Again」(これも新曲)の流れ。熱心なファンなら一発目に持ってこなかった事で肩透かしを喰らったであろう彼らの代表曲、「It’s Getting~」ではディレイの深くかかったギターのイントロが鳴ると同時にフロアが待ってましたと言わんばかりに興奮してくるのが手に取るように伝わってきたし、スティーブンがこれでもかとスティックを天に掲げてオーディエンスを煽る、既にライブでの定番となりつつある新曲「「It Is Happening Again」も前列の方では大分盛り上がっていた。そしてニルヴァーナの「Breed」を髣髴とさせるような性急なビートで問答無用に正面突破する「I Wish I Was Someone Better」でエネルギーを思いっきり爆発させて本編を締めくくった。

以前の彼らのセットリストは前半にキラーチューンを固める傾向があり、後半は少しだれてしまう印象があったのだが、どうやら遂にお客さんを“じらす”と言う事を習得したらしい。彼らの思惑通り、散々じらされたお客さん(僕含む)はこの最後の一曲で完全に沸騰し切った。
それにしても、ニューウェーブなどに影響された一癖あるバンドや、奇を衒ったようなサウンドが好まれる傾向にある昨今のインディ・ロック・シーンにおいては、彼らのようにあまりにもストレートなグランジ直系のガレージ・パンクは間違いなく異質な存在で、正直、彼らの今後はかなりキツいかな、と勝手な予想をしていたのだが、案外こいつらは大丈夫かも。ライブ終了後はそんな安堵感に包まれる出来栄えだった。 (保坂隆純)

Photo:Yuki Kuroyanagi

Blood Red Shoes @ Shibuya O-East 12/08

01. Try Harder
02. Say Something, Say Anything
03. You Bring Me Down
04. New Song
05. Boring By The Sea
06. It Is Happening Again New Song
07. Doesn’t Matter Much 
08. Forgive Nothing
09. Count Me Out  New Song!
10. This Is Not For You
11. I Wish I Was Someone Better

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